嵐は突然やってくる
次の日の朝、いつものようにお兄ちゃん先生を起こしに行こうと早起きする彼女に、ルームメイトのアンお姉ちゃんが突然話しかけます。
「ねえユリちゃん、今日も朝早いのね。毎朝毎朝いつもどこに行っているの?」
「えっ!?うっううん……別に特別なことは何もないよ?ただちょっと早起きしただけ」
と焦りながら答えるユリシアちゃん。
「そうなの?でもこの前わたし、偶然見ちゃったんだよね、ユリちゃんが先生のお部屋から出てくるところ。しかもキョロキョロと周りを伺いながら……。」
「嘘!?見られてたの!?」と慌てるユリシアちゃん。
「うん、バッチリ見ちゃったよ。ほかの子達はまだ寝てたから気づいてなかったみたいだけどね」とアンお姉ちゃんは笑います。
「ところでさ、なんでお兄ちゃん先生の部屋から出てくるのかな?」
「えっと……それは……その……」と口ごもるユリシアちゃん。でも、そんな彼女に追い打ちをかけるようにアンお姉ちゃんが言いました。
「まさかとは思うけど……お兄ちゃん先生とエッチなことをしてたんじゃないでしょうね?」ニヤリと意地悪な顔をするアン
「そそそそっ!!そんなことしてないよっ!?
ちょっとお食事作ったり……か……肩を揉んであげただけだよ?だって幼な妻候補生なんだし、普通でしょ?」
「へぇーそうなんだぁ~。でもユリちゃんって最近、お兄ちゃん先生に対して積極的になったよね?前まではそんなことしなかったのに……。」
アンお姉ちゃんが不思議そうに首を傾げました。
(ああっ!ヤバい!!怪しまれてる……何とかしなきゃ……!!)
ユリシアちゃんは必死に言い訳を考えますが頭が真っ白になって何も思いつきません。
すると突然、ドアが開きました。そこにはパジャマ姿のお兄ちゃん先生がいました。
ユリシアちゃんは焦りましたが、アンお姉ちゃんがお兄ちゃん先生に話しかけます。
「あっ、先生!おはようございますっ♡♡どうしたんですかあ?こんな朝早くから生徒のお部屋に来るだなんてぇ~?」
「い、いや、トイレに行こうと通りかかったら、偶然中からユリシアの大きな声が聞こえてきたものだから、どうしたのかと思って‥‥‥」
「へえ~?そうなんだあ!?ふう~ん??」
あからさまに疑いの眼を向けるアンにお兄ちゃん先生はあっという間にタジタジになってしまいます。
(ああっ!お兄ちゃん先生頑張って!!アンお姉ちゃんにますます疑われちゃうよーっ!!)
「とりあえず、中に入ってくれませんか先生。ゆっくりお話しいたしましょう?」
お兄ちゃん先生は、アンお姉ちゃんに言われるまま部屋の中に入って行きました。
そして……。
案の定、アンお姉ちゃんの追及が始まりました。お兄ちゃん先生の顔色はどんどん青ざめていきます……。ユリシアちゃんはオロオロしながら見守ることしかできませんでした。
(あぁ……どうしよう……!このままだと私のせいでお兄ちゃん先生に迷惑がかかっちゃうよぉ……!)