第15話 お兄ちゃんがくれた、生きる理由

ユリシア日記

「★イラストは後日追加予定★」

 

夜の寮長室。
いつもなら他の娘たちが押し寄せる時間なのに、今夜は誰も来ない。
理由は簡単だ。ユリシアが事前に他の生徒たちに「今日はお兄ちゃんを独占したいから、誰も近づかないで」と言い回っていたらしい。
彼女の影響力は、最近の学院内で抜群だ。俺みたいなうだつの上がらない教員が、女生徒から注目されるようになったのも、ユリシアが編入してきてから俺をべた褒めしてくれるおかげさ。

ドアが小さくノックされた。
「……お兄ちゃん。入ってもいい?」

ユリシアだった。
いつもの勝気な笑顔じゃない。目を真っ赤に腫らして、肩を震わせている。
俺は無言でドアを大きく開けた。

ユリシアは一歩踏み込むと、ぽろぽろと涙を零しながら俺の胸に飛び込んできた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……
私、もうダメかもしれない……」

震える声。
ここまで弱ったユリシアを、俺は一度も見たことがなかった。
いや、待て……一度だけ、似たような姿を見たことがあるような……。

「どうしたんだ、ユリシア……」

ユリシアは俺のシャツをぎゅっと掴み、顔を埋めたまま呟いた。
「私……1年半前、この学院で死のうとしたことがあるんです……」

……は?
幼い頃から面倒を見てきたユリシアが、そんなことを?

「屋上で……もう生きていたくないって思って……
そのとき、先生が……お兄ちゃんが……
『お兄ちゃんに任せろよ。死ぬなんてもったいない』って……
私を抱き止めてくれたんです……」

俺の頭に、ぼんやりとした記憶が蘇る。
5年以上この学院に勤務しているが、1年半前のあの頃、屋上で泣いてる青い髪の女の子を助けたことがあった。
あの時、ユリシアはまだ幼くて、髪も今より長めで……顔を泥だらけにしていたせいか、すぐに本人だと気づかなかった。
それに、長年うだつの上がらない日々を送っていた俺は、そんな事件を深く記憶に留めていなかったんだ。
でも、今思えば……あの声、あの小さな身体の感触……間違いなくユリシアだった。

「……あれが、お前だったのか? いや、待て……そうだよな。お前だったんだ。
あの時、名前を聞いても教えてくれなくて、ただ泣きじゃくってたっけ……」

ユリシアはこくんと頷いた。
「それから1年間、休学して……
でも、どうしてもお兄ちゃんのそばにいたくて……
もう一度この学院に編入してきたんです……
搾精会で先生を選んで……私が、先生の初めてになりたくて……」

涙が止まらない。
「でも最近……雫ちゃんや茉里絵さん、それに渚先生に取られそうで……
渚先生なんて、学生の頃からお兄ちゃんに片思いしてて、病弱な体を鍛えてまでここに戻ってきたんですよね……
私、またあのときみたいに死にたくなって……
もう、私じゃダメなのかなって……」

俺は、初めて自分でユリシアを抱きしめた。
強く、強く。
幼い頃から守ってきたこの子を、今も守り続ける。

「……バカ野郎」

ユリシアの身体がびくっと震える。

「俺、ずっと気になってたんだ。
あの時助けた子が、今どうしてるかって……
まさか、お前だったなんて……いや、知ってたはずなのに、ちゃんと結びつけてなかった。
幼い頃からお前の面倒を見てきた俺が、気づかなかったなんて……情けないよな。」

俺はユリシアの頬に手を添え、涙を拭った。
「俺が童貞だったのも……
無意識に、お前を待ってたのかもしれない」

ユリシアの瞳が大きく見開かれる。

「俺が初めてでお前が初めて……
だったら、もう決まりだろ」

俺はユリシアの唇を奪った。
今までで一番優しいキス。

ユリシアは震えながらも、俺の首に腕を回して応えた。

ベッドに押し倒し、制服のボタンを外し終えたところで、
俺はユリシアの両頬をそっと包み込み、真正面から瞳を見つめた。


「ユリシア。俺の正妻になってくれ」

瞬間、ユリシアの青い瞳が大きく震えた。
涙がぽろり、ぽろりと頬を伝い、胸の谷間に落ちていく。

「……え?」

小さな、掠れた声。

「正妻……? 私で……いいの?」

震える唇。
信じられない、というより、自分を許せない、という色が瞳に浮かぶ。

「だって……私、昔はお兄ちゃんに迷惑ばっかりかけてたし……
屋上であんなことしたのも、私が弱かったからで……
雫ちゃんも茉里絵さんも、渚先生だって……みんな私よりずっと大人で、綺麗で……
私なんか……お兄ちゃんの隣にいる資格なんて……」

言葉の途中で、俺はユリシアの唇を指で塞いだ。

「違う」

静かに、でもはっきりと告げる。

「お前が俺の隣にいる資格を決めるのは、俺だ」

ユリシアの瞳が揺れる。

「俺は……あの屋上で泣いてた子を、ずっと忘れられなかった。
名前も知らないまま、でも、あの子のことが気になって仕方なかった。
……それがユリシアだったって知ったとき、全部繋がったんだ。
俺が守りたかったのは、最初からお前だったって」

ユリシアの喉が小さく鳴る。

「俺が童貞だったのも……
無意識に、お前を待ってたからかもしれない。
だから、もう迷わない」

俺はユリシアの左手をそっと取り、薬指にキスを落とした。

「俺の正妻は、ユリシア以外にありえない」

ユリシアの目から、堰を切ったように涙が溢れ出す。
でも今度は、悲しみの涙じゃない。

「……ほんとに? ほんとに……私でいいの?」

「いいに決まってるだろ」

俺は微笑んで、額を軽くコツンとぶつけた。

「お前が俺の初めてで、俺がお前の初めて。
だったら、もう運命は決まってるだろ?」

ユリシアはしばらく俺の胸に顔を埋めて、肩を小さく震わせていた。
やがて、涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて……

「……うん♡」

小さく、でも確かに頷いた。

「お兄ちゃんの……一生のお嫁さん、なります……♡
私……お兄ちゃんの正妻に……なってもいいんだね……♡」

その瞬間、ユリシアの青い瞳が、今までで一番綺麗に輝いた。

俺はもう我慢できなくて、優しく唇を重ねる。
ユリシアも、涙まじりに必死に応えてくれた。

「……ありがとう、お兄ちゃん……♡
私、幸せすぎて……もう、死ねないよ……♡」

「死ぬなんて言わせない。
一生、俺が生きる理由をお前にやるから」

ユリシアはくすんと泣き笑いしながら、ぎゅっと俺の首に腕を回してきた。

「……ん♡ 約束だよ? 絶対、離さないでね……♡」

「ああ、絶対に」


俺はユリシアの細い腰を抱え、ゆっくりと熱を埋めていく。
「んぁあっ♡♡ お兄ちゃんの……おちんぽ……入ってきてるぅ……♡♡」

熱くて、狭くて、処女のときよりもさらに締め付けてくる蜜壺。
愛液がとろりと溢れ、結合部から淫らな音が響き始める。

「あ♡ あ♡ 奥まで……届いてる……♡ お兄ちゃんのでいっぱい……♡」

青いショートヘアがシーツに乱れ、ユリシアの白い喉がのけ反る。
俺はゆっくりと腰を振りながら、耳元で囁いた。
「ユリシア……愛してる。お前が俺の正妻だ……」

「ひゃうっ♡♡ だ、だめっ……そんなこと言われたら……私、イっちゃう……♡」

ユリシアの内壁がびくびくと痙攣し始める。
俺はさらに深く突き上げ、子宮口を優しくキスさせるように押し当てる。

「んおぉおっ♡♡ お兄ちゃんの先っぽ……子宮にキスしてるぅ……♡♡
もう……私、正妻の証……欲しい……♡ いっぱい出してぇ……♡♡」

「ユリシア……受け止めろ……俺の全部……!」

「きてっ♡♡ お兄ちゃんの赤ちゃん種……子宮に注いでぇええっ♡♡♡」

どくんっ♡ どくどくっ♡♡
熱い精液がユリシアの一番奥に叩きつけられる。

「ひぃぃぃぃぃっ♡♡♡♡ お腹の奥……熱いのきたぁあっ♡♡
私……お兄ちゃんの正妻に……孕まされちゃうぅううっ♡♡♡」

ユリシアの全身がびくんびくんと跳ね、絶頂の波に飲まれる。
膣内が精液を搾り取るように収縮し、俺も最後の一滴まで絞り出された。

はぁ……はぁ……
事後。
ユリシアは俺の胸に頬を寄せ、幸せそうに目を細めた。
下腹部からとろりと白濁が零れ落ちるのも気にせず、小さく呟いた。

「ん……♡ お兄ちゃんの赤ちゃん……ちゃんと子宮で受け止めたよ……♡
これで私……本当に正妻だね……♡」

俺はユリシアの汗ばんだ青いショートヘアを撫でながら、はっきりと告げた。
「ああ。お前は俺の正妻だ。
一生、離さない」

ユリシアは満面の笑みで、甘えるように身体をすり寄せてきた。
「えへへ……♡ 私、幸せすぎて……また欲しくなっちゃった……♡」

……この夜は、まだ終わらない。


翌朝。
学院中に通達が流れた。

【緊急速報】
和先生の正妻が決定いたしました。
第一幼な妻候補生、ユリシア・ファランドールを正妻として認定いたします。
(学院理事長承認済み)

廊下では、雫が呆然と立ち尽くし、
茉里絵が「……まだ終わっておりませんわ」と妖しく微笑み、

渚先生が顔をこわばらせ、拳をぎゅっと握りしめながら呟いていた。
「はあ、そうなんだ……和先生は結局ユリシアさんを正妻に選んだのね……。おめでとうユリシアさん、……でも、でもっ!
ユリシアさんは和先生が昔『ゴマちゃん先生』って呼ばれてたの絶対知らないのに、今でもこの学院で知ってるのは私だけのはずなのに!!
……それに、それにあんなに激しく何度も私の身体を求めて一生大切にするよって言ってくれたのに、なのに私はどうして正妻に選んでくれないの!???
スタンディングスプリットでお漏らしまで見せた私の想い、絶対に思い知らせてあげるんだから!!!!!!(# ゚Д゚)」

(あの日の恥ずかしい潮吹きと、和先生に「最高だったよ!」って言われた記憶が脳裏をよぎり、渚先生の太ももがびくんと震えた。次の瞬間、嫉妬の炎が全身を包み、筋肉がぶるんと膨張する)

ユリシアは俺の手を握り、勝ち誇ったような、それでいて優しい笑顔で呟いた。
「他の子たちも、ちゃんと可愛がってあげてね?
だって、私……お兄ちゃんのこと、一生信じるって決めたんだから♡♡」

俺は思わずユリシアの額にキスを落とした。
「……お前、本当に最高の正妻だな」

ユリシアは照れくさそうに頰を染めながら、小さく頷いた。
「えへへ……だって、お兄ちゃんが生きる意味をくれたんだもん♡」

(第15話 完)