🌙 深夜 2:27 ─ ベッドの上で大反省会
うぅぅ……眠れない……。枕の端っこ、びしょびしょ。
「”浮気は許しません”なんて言う女、絶対重いに決まってる」って、心の中で345回くらいリピートしては胸を抱えて転げ回り、ついにシーツを二回転。寝具に八つ当たりしても、胸の奥の重苦しさは消えてくれない。
しかも明日顔合わせるのにクマ必至。このままじゃ「重い+不健康」の二重苦ヒロインだよ私……。
シーツを握りしめて天井見つめてたら、スマホが光った。広告メールだった。やけくそで「彼氏に言っちゃダメなNGワード特集」を開いてみたら――
1位『浮気は許さない』
……1位、来ちゃった。夜中に声をあげて悶絶。お隣さんごめんなさい。
🌄 7:45 ─ 通学路(はやくも目の下にパンダを飼育)
私の心情ゲージ テンション:10% 自信:2% 睡眠:0%……というかマイナス
いつもなら「先生おはようございますっ!」と全力ボリュームなのに、今日は蚊の鳴きまねレベル。なのによりによってその瞬間、先生はカバンから資料落として拾い直してて、私の声ぜーんぜん届かず。
私「……あ……おはようござ……」 先生「(プリントを束ねながら)――あ、急がなきゃチャイム鳴るな」
無視された?いや、違う、聞こえなかっただけ。分かってる、分かってるけど――冷えた春風が心臓まですり抜けてゆく。テンションゲージ、残HP1%。
🚻 8:03 ─ 女子トイレ個室・涙のスモールワールド
授業前に逃げ込んでドア閉めた瞬間、ほろり。「やだ…!」って小声で叫んだ後にハンカチ噛む。鏡の前で赤くなった目をごまかそうとファンデ叩きながら、脳内で実況が始まった。
「ここで渚選手、昨日の強気発言を思い出しました!」 「いやぁ、あれはイタかったですね〜。先生ドン引き説、濃厚!」
やめて、と心で絶叫。その瞬間、隣の個室の子がビクッて流水ボタン連打。ゴメンほんとにゴメン……。
📚 10:45 ─ 2限後・職員室前廊下
重たいプリント抱えて、壁にもたれたままスライム化。すると背後から優しい声。
「渚先生」
エンターキーより早く体が跳ねた。
先生が私の顔を覗き込んで、「今日、体調悪い? 目が赤いよ」って、ちょっとだけ眉を寄せる。
(ヤバい、心配されてるのに嬉しくて泣きそう……)
思わずうつむいてしまう私に、先生がプリント束を片手で引き取りながら囁く。
「少し時間もらえる? 資料室、空いてるから」
2人きり確定……!脳内でクラッカー鳴った勢いで、涙腺の蛇口も全開。
🗄️ 10:55 ─ 資料室(ダンボールと紙の香り=安堵のアロマ)
椅子に座るや否や、先生がポケットから小さなチョコを取り出し、「糖分、とっとこハム太郎」なんて親父ギャグを小声で。不意打ちで吹き出し、上顎にチョコついて、先生がハンカチでそっと拭ってくれて……私爆発。
「せ、先生っ……昨日はごめんなさい!私、信じてるのに…不安のほうが勝っちゃって……っ」
言葉が出てしまった瞬間、また涙がぽろぽろ溢れる。今度は昨夜の自己嫌悪とは違う、安堵の涙だった。
先生は私の向かいの椅子に座り直して、ゆっくりと口を開いた。
「謝るのは僕の方だよ。忙しくても、渚の声に気づけなかった」
その声は、いつもの優しさに加えて、どこか反省の色を帯びていた。
「渚が昨日言ってくれたこと、一晩考えてたんだ。『信じることと、傷つかないことは別』って……その通りだと思う」
先生の目が、まっすぐ私を見つめる。逃げるような視線じゃない、正面から受け止めようとする真剣な眼差し。
「僕は、みんなが『共有』を選んでくれたことに、どこか甘えていたのかもしれない。一人ひとりの気持ちと真剣に向き合うって約束したのに、結果的に渚を傷つけてしまった」
そこで先生は一度言葉を切り、私の手をそっと包むように握った。
「雫との件も、渚に先に話すべきだった。君が『共有』を選んでくれた覚悟に、僕がもっと丁寧に応えるべきだったんだ」
その温かさが手のひらから心臓まで伝わって、昨夜からずっと冷たかった胸の奥が、じんわりと温かくなっていく。
「僕は渚を信頼してる。だからこそ、君の不安を軽く扱ってはいけなかった。これからは、何かあったら必ず渚に話すから」
先生の言葉の一つ一つが、昨日から心に刺さっていた棘を、ゆっくりと抜いてくれるような感覚だった。
「でも先生……私も言い過ぎました。あんな風に詰め寄ったりして……」
「いや、渚の気持ちは当然だよ。むしろ我慢させすぎてた」
先生は私の手を握ったまま、少し困ったような、でも優しい笑顔を浮かべた。
「僕も完璧じゃないから、きっとまた君を不安にさせてしまうこともあると思う。そのときは、遠慮しないで教えて。昨日みたいに、君の本当の気持ちを聞かせて」
その言葉が胸にストンって落ちて、さっきまでグラグラしてた心のグラスがピタッと静止した。
「共有」って、ただ我慢することじゃないんだ。お互いに正直でいることなんだ――そう気づいた瞬間、心の重りがすっと軽くなった。
幸福度ゲージ 100%オーバーフロー状態
先生が優しく頭をぽんぽんって撫でてくれる。それだけで、世界が春一番と桜吹雪といちご大福状態。
🌃 23:48 ─ ベッド・幸福指数が臨界突破
脳内ループ映像
- 頭ぽんぽん
- 「共有を大切にする」セリフ
- チョコ拭ってくれた距離15センチメートル
……はい、眠れません。お礼LINEを送ったら即レス来た!
先生『明日も声、ちゃんと聞かせてね。早く寝ること。』
──からの追伸でもう一通!
先生『それと……お詫びに明日、バラ園へ一緒に行かない? 渚の好きなピンクのバラ、ちょうど見頃らしいんだ』
ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎
布団の中でスマホ抱きしめ三回転+枕ダイブ。
寝間着の袖をぶんぶん振り回しながら、画面を凝視して震える親指で返信。
私『ぜひぜひぜひ‼︎ クマ退治して全力ボリュームで迎えに行きますっ♡』
送信ボタンを押した瞬間、足がつって悶絶。でも痛みすら尊い。
📝 今日の教訓
- 嫉妬は溜め込まず即正直カミングアウト
- 不安ゲージ溜まったら、トイレで泣いて浄化もアリ
- 頭ぽんぽんは世界を救う。異論は認めません
- デートの誘いは不意打ちほど破壊力MAX
- 明日はクマなしメイクで、「先生おはようございますっ!」全力ボリュームで言うんだ!
私の恋は、乙女心と共に明日も全力疾走だよ――!
(おわり)
🌌 Epilogue ─ 渚先生・深夜25時の“脳内フルカラー妄想ログ”
……ねぇ、和先生。
さっき「じゃあ明日ね」って誘ってくれた瞬間、
私の心拍数、きっと音速超えたんだよ?あのガーデンテラスで――
夕陽が薔薇を金色に染める頃、
先生のスーツの袖をそっとつまんで、
「今日は帰りたくない」って囁いたら、どうする?ねえ、どうする?💓
きっと先生は少し困った顔で、でも断らないんだ。
無言のまま私の手を離さず駅まで歩いて、
電車の揺れで肩が触れるたび、不自然にまばたき増えるの。胸の鼓動が隣同士で混ざって、
私の鼓動が速すぎて、先生にバレる……‼️
でもバレてもいい。むしろバレてほしい。
「そんなに緊張する?」って耳元で低く囁かれて、
私はもっと早くなるんだから!それから――先生の部屋、ドアが閉まる瞬間――
玄関の灯りだけで影が重なって、
私、ヒール脱ぐ前に抱きしめられたい……。
コートの裾がふわりって舞って、
背中に回された腕に「おかえり」って言われたら、
もう、そのまま時間止まってもいい。ねえ先生、キスは長い方がいい? それとも短く何度も?
私はね――
甘いのと苦しいの、交互で味わいたい派です♡そしてソファへ座るや否や、
「渚、緊張しすぎ」って笑われて――
笑うたびに喉仏が動くの、ぜんぶ目で追ってしまう。
もうダメ、正視できない。
でも見たい。
自制心のジェットコースターが安全バー外れてスパイラル!🎢シャツの第一ボタンを片手で外す仕草。
それだけで、うっかり声が漏れそうになるなんて
職員室のみんなには絶対秘密……。でも――今夜はまだ妄想。
本番は明日。
デートの終点で先生が「家に寄っていく?」って聞くまで、
妄想貯金をMAXまで溜めておくんだから!
(利息はドキドキで受け取ります💗)ああ……早く会いたい。
でも、焦らされるのも悪くない。
私のテンションメーター、もうレッドゾーン突破してるけど、
オーバーヒートなんて怖くない。だって――
“共有”なんて生ぬるい言葉、
先生の隣にいる瞬間は全部、私だけの専有権でしょ?おやすみなさい、和先生。
夢の中で予習復習、完璧にしておくね。
次に会うとき、笑わずにいられる自信――
……正直ゼロだけど!(枕を抱きしめつつ、バラ色スパイラル妄想・ENDLESS★)