ある日の夜。
部屋に戻ったアオは、シャワーを浴びてふわふわのパジャマに着替えると、部屋の隅っこにちょこんと座り、スマホを胸元でぎゅっと抱きしめていた。
「……先生、見てくれるかな……」
火照った頬にふれる銀髪のショート。
画面の向こうには、ビーチで撮った一人きりの自撮り動画が映っていた。
胸元を何度も気にしながら、風に揺れたシャツのすき間にどきどきしながら、それでも──ほんの少し、笑ってみた。
自分の身体を好きになりたくて。
先生に「見てほしい」と、はじめて心から思った。
手は震えていた。でも、送らなきゃ──この想いは届かない。
そして、アオはチャットアプリを開き、先生とのトークルームに入った。
📲 アオ🐰
(動画を送信しました)
📹 [ao-beach-smile.mp4]

せ、先生……見てくれた、かな……?💦
変じゃなかった……?へんてこじゃなかった……??💦💦

ううん、だめだよね……っ
やっぱり、こんなの送っちゃって……ばかだなぁ、わたし……っ
(既読)
📲 しばらくして──

アオちゃん。
変なんて、思うわけないよ。

動画を見て……思わず声が出そうになった。
あんまりにも、綺麗で……あんまりにも、愛しくて……。

僕、ね。

息を飲むって、こういうことなんだって……初めて思った。

……っっっっっ!!!!////
そ、そんな……っ わ、わたしなんかが……っ

せ、先生……やさしすぎるよぉ……っ💦
そんなこと言われたら……うぅ……うれしくて、むりぃぃ……っ💗💗💗

わたしの胸が……揺れてたのに……
“キモい”って言われるかもって……
こわかったのに……先生だけは、ずっと……やさしくて……

ぎゅーってして、って言ったら……してくれる……?🥺💗

もちろん。今すぐにでも、抱きしめに行きたいくらいだよ。

アオちゃんのこと、ぎゅーってして、
「よくがんばったね」「とってもかわいかったね」って、
何回でも言ってあげたい。

……っっ、ううぅぅ……っ////
わ、わたし、先生に甘えたいよぉぉぉ……っ💦💦

だっこして、よしよしして……
あたま撫でて、「えらかったね」って……言って……?🥺💞

もちろんだよ。
アオちゃんのこと、大事にして、大事にして、
誰にも触れさせないくらい……ぎゅーってする。

今、隣にいたら……耳元で囁いてあげるのに。
「大好きだよ、アオちゃん」って。

……っっっっ!!!/////
(スマホぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!)

し、しぬ……むりぃ……とけちゃう……っ////
先生……そんなこと言われたら……っ、心臓が…心臓がぁぁぁ〜〜〜〜っ💘💘💘

わたし……
わたし、せんせぇのこと、だいすきすぎて……っ
しあわせで、しあわせで……もう、泣いちゃうよぉぉぉ……っ💦💦💦

泣いていいよ、アオちゃん。
涙も笑顔も、全部、僕だけに見せて?

今夜のアオちゃん……とびきり可愛いから、ずっと見てたい。
寝るのがもったいないくらい……
でも、そばにいたらきっと──ぎゅーってしながら、寝かせちゃうんだろうな。

……えへへ……ね、先生……

わたし……
夢の中でも、先生に甘えていい……?💤💗

もちろん。
夢の中でも、ぎゅっと抱きしめるから──

おやすみ、アオちゃん。
“僕のかわいいお姫さま”へ……甘い夢を🌙💕
その夜、アオはスマホを胸にぎゅぅっと抱きしめたまま、
とろけるような笑顔で、ふわふわの夢の中へと落ちていった。
彼女の夢の中では、白髪まじりの優しい王子様が
「世界でいちばんかわいいアオちゃん」を、そっとお姫さま抱っこしていた──💗✨