エロゲーの「ナチュラル」といえば、愛のある調教という基本コンセプトを全面的に売り出して大変なブームを呼んだ名作ですね。自分の事を「ボク」と呼ぶヒロイン、三沢千歳ちゃんの無垢な可愛いらしさは、何年経っても廃れることはありません。
結構昔のゲームなのであまり細かくは覚えていないのですが、確か、純愛部分と調教部分のバランスが秀逸だったことは鮮明に記憶に残っています。それだけに、このアニメ版の内容には正直言って合点がいきませんでした。
昔の恋人の妹から好きだと告白されて、そのまま深い関係を持つようになるところまでは原作と一緒です。その後のストーリー展開もほぼ原作通りに進行していくのですが、なんといいますか、アニメ版の主人公の性格があまりにも酷すぎると思うのですが・・・。
開始早々から千歳ちゃんのことを虐めまくる主人公からは、彼女に対する愛情など微塵もうかがうことなど出来ません。サディスティックで自己中心的、さらに自分の事をハンサムだと自覚しているその自信過剰な振る舞いを見ていると、無性に腹立たしさがこみ上げてくるのです。
彼女の純朴さをいいことに、己の欲望を満たすことしか考えていない馬鹿野郎っ!そんな主人公に対して全幅の信頼を寄せる千歳ちゃんのいじらしさばかりが印象に残った作品でした。
ここは一日も早く、自分がおもちゃにされているだけなんだということに気が付いて欲しいと、切に願うばかりです。
18禁アニメとしての実用度は、余り期待しないほうがいいかもしれません。「お兄ちゃんっ、お兄ちゃーん!」と甘えた声で懇願する千歳ちゃんの表情には、グッとくるものがありますが、いかんせんフィニッシュシーンの描写がほとんど無いというのは、かなり痛いところです。中途半端なエロシーンばかりでは、抜くタイミングを図ることも出来ないではありませんか!
・・・まあ、萌えアニメとして見る分には十分すぎるぐらいの出来なので、それはそれでいいともいえますが・・・。
ああっ、ほんとにもうっ!こんな主人公さえいなかったら、何回でも千歳ちゃんを眺めていたいのに・・・!そんな煮え切らない気持ちで一杯です。(波城)