初めてのメイド品評会
ユリシアにとって、入学早々初めてのメイド品評会がはじまりました。
中庭には様々なタイプのメイド服が展示されています。ユリシアの好きなブルーをベースにした、シンプルで可愛らしいデザインのものや、色鮮やかで大胆なデザインのものまで。
「はじめましてユリシアちゃん!これ可愛いね!?」
横にいたピンク髪のメイドさんが突然彼女に話しかけてきました。
「え?ええ??う、うん、そ・・・そうかな?でも私には少し派手過ぎるような・・・」
恥ずかしそうに顔を赤くするユリシアちゃんに、
「そんなことないよ!私といっしょにこのメイド服着て先生にみてもらおうよ♪」
「え?ええええっつ?」
「あれ、君は確かユリシアと同じクラスになるアンちゃんだったよね?おはよう」
「あっ、先生おはようございます!」
彼女はお兄ちゃん先生に声を掛けられると、嬉しそうに返事を返します。
「アンちゃんは、このメイド服が気に入ったのかな。アンにとっても似合うと思うよ!ユリシアに話しかけてくれてありがとうね♪」
「えへへへっ♪はいっ!」
元気に返事をするアンちゃん。
そんな彼女に、お兄ちゃん先生は優しく声をかけます。
「ユリシア、お友達ができたみたいだね」
「うん!」
彼女は嬉しそうに微笑むと、横にいたアンちゃんの方に顔を向けました。
「アンちゃん、私と一緒に品評会やってくれる?」「うん!もちろん!」
「ありがとう!ところでアンちゃん、どうしてそんなに汗かいてるの?暑いの?」
ユリシアちゃんの言う通り、アンちゃんは汗だくです。
「え?ええええ?き、今日はいい天気だったからかな?」
「あ、うん!そうだね!いい天気だよね!」
嬉しそうに微笑むユリシアちゃんの後ろではお兄ちゃん先生が苦笑いしています。
「ユリシア、アンは緊張してるんだよ、あまり詮索しないであげてね!?」
「???うんっ!わかった!」
素直に返事をするユリシアちゃんに、アンちゃんは安堵の表情を浮かべます。
「それよりもユリシアちゃん、早く向こうに行って着替えよう?いい感じのデザイン、すぐ無くなっちゃうんだから」「うん!」
二人は手を繫いでメイド服の展示してある方へ駆けて行きました。