自分ひとりの力ではなかなか解決することが出来なくて、一人悶々と悩みを抱き続けている人達が、占い師風の妖しい女性の手にかかって、その心のタガをはずしていくことになる・・・、そんな過程を様々なケース別に色々と描いている、オムニバス形式の18禁アニメです。
タイトルに「淫夢」とあるように、対象者は彼女によって、ある種の幻想を見させられることになるのですが、その幻想が、そっくりそのまま現実世界の出来事として成立してしまうのですから、これはもう、たまったものではありません。自分の悩み・トラウマ・願望といったようなものを、解消して貰ったり叶えて貰ったりする代わりに、対象者は二度と、今までの日常生活には戻れないようになってしまうのです。
自分の思うがままになる世界を手に入れて、恍惚の表情を浮かべるキャラクター達。本能が剥き出し状態になった人間がみせる、荒々しくてマニアックさに満ち溢れたセックス行為の凄まじさは、本当に圧巻と呼ぶに相応しい内容を誇っていました。
他人の視線を気にするあまり、目玉の付いた触手に犯され続ける羽目になってしまった女子校生の「優美」ちゃん。(題名:視られる)
カードの中に封印されていた精霊達(金髪ツインテール娘の「キャピル」ちゃん。気が弱そうな「メソミア」ちゃん。そしてSM女王様風の「メチルス」さん。)と交わされる、主従関係に基づいた奇抜なエッチプレイの数々。(題名:闇のカード)
レズっ気のある女性「泉美」さんが、水泳部の後輩の子「亜紀」ちゃんに対して向けた、歪んだ恋愛感情・独占欲の成れの果て。(題名:水の中)
人形とのエッチに没頭していった女の子「葵」ちゃんが、その人形の世界に引きずり込まれていくまでの様子。(題名:匣)
そして、盗撮趣味のある男性に目を付けられたナースの「めぐみ」さんが、人格を宿した彼の精液によって、散々酷い目に遭わされていくといった、まさに常軌を逸したシチュエーション空間。(題名:エクセンシブ・ラブ。ちなみに私は、本シリーズの中で、この物語に最もハマりました。しっかり者で人当たりの良さそうなめぐみさんが、頬を染めて悶えたり気丈に振舞う姿は、もう絶品の可愛らしさです!身動きの取れない彼女を、彼と彼の精液が二人?がかりで輪姦するシーンは、赤く血に染まった彼女のワレメの痛々しさも手伝って、一度観たら決して忘れられなくなってしまうほどの、強烈なインパクトを与えてくれること間違いなしです!)
これら以外にも、さらに3つのシナリオが用意されている本作。想像を絶する異次元の世界が、次々と繰り出されてきます。こういった、シナリオの多様性・バリエーションの豊富さこそが、本作の最大の魅力だといえるでしょう。
もちろん、シナリオだけではなくて、キャラクターデザインやエッチシーンにおけるアングル・演出といったところまで、ショートストーリー毎にきちんと描き分けられていますので、そういった細かな点の作り込みの丁寧さにも、個人的には大いに惹かれました。性癖や好きなキャラクターのタイプ等は人それぞれですけど、本作を観れば、きっと自分好みの18禁アニメに出会えるのではないでしょうか!?それくらい、本作に含まれている個々の物語は、個性的でユニークな仕上がり具合をみせていました。20世紀の末及び21世紀の初頭を飾った(淫夢は2000年発売で、淫夢2は2001年発売です)、往年の秀作アニメです。(波城)