10年以上前までは、音楽すらも収録されていなかった美少女ゲームの世界。それがいまでは、音声収録は当たり前、アニメシーンの挿入ですら珍しくない状況に変化してきています。
この「I‐DOLL」も、ゲームとアニメが融合した作品といえるのですが、そのレベルの高さには目を見張るものがありました。発売されてから、もうかれこれ2年半近く経過していますが、あまりの面白さに夢中になってプレイした事を今でも鮮明に覚えています。ストーリー・演出・作画・音楽(主題歌が最高!)と、全てにおいて高い完成度を誇る、類まれな逸品だと思います。
アイドルになる事が夢だと語る「汐音 愛」ちゃん。そんな彼女と幼い頃からずっと一緒に生きてきた主人公もまた、その想いが叶うことを願っていました。そんな矢先、突然の事故により、この世を離れる事になってしまった愛ちゃん・・・。
哀しみにくれる主人公は、それでも彼女の夢を共に実現していきたい一身で、アイドルのマネージャーという仕事を選んでいきます。そして、なにもかも順調に進みだした頃、偶然、愛ちゃんの姿が映った心霊写真を目にした主人公は、なんとか彼女と話がしたくて、色々と奔走し出すのでした。そして遂に、生命人形という魂の入れ物を用いることによって、再び彼女を現世に蘇らせることに成功したのです。
ところがこの生命人形、そう長くは持たない代物でした。そこで二人は、彼女が現存する間にアイドルになりたいという夢を叶える為、様々な困難に立ち向かっていく、そんな感じの物語です。
とにかく、ヒロインの愛ちゃんの可愛らしさが、とても光っておりました。明るく前向きな彼女を見ていると、自然と応援したい気持ちで一杯になってきます。彼女を現世に留めおく為には、絶え間ない愛情を注いでいかなければならないのですが、当初から愛ちゃん一筋でプレイしようと心に決めていた私としては、何の問題も無い簡単な事のように受け止めていました。
しかし・・・、これが結構辛かったのです。生命人形にはエッチする為の機能が備わっておりません。ですから、プレイヤーはプラトニックな愛情に徹する必要があるのです。・・・・・・ウソでしょ?。
・・・いやいや、すぐに肉欲に走るのは良くない事だっ、なんとか我慢しようとすぐに改心しましたが、いかんせん本作はクリアーするまでの時間が長すぎました。禁欲生活が続いている時に、次から次へと登場してくる魅力的な女の子達に誘惑されまくるのだから、これはもう浮気をしろと暗に言われているようなものではありませんか。
もうダメだーっ、愛ちゃんごめんねっ!!。何度このように思った事か・・・。しかし私は頑張りました(えっへん!←?)。これは愛ちゃんに対する自分の愛情を試されているんだと、寸でのところで操(?)を守り通しましたよ。おかげで、愛ちゃんとのラブラブなエンディングを迎えることが出来ました♪
そのときの、彼女とのエッチシーンの濃密さときたら、もう堪りませんっ!優しくリードする事も、ちょっと強引にエッチしちゃう事も、まさにプレイヤーの思うがままなのです。滑らかに凄くアニメシーンを見ていると、本当に今までずっと我慢してきた甲斐があったなあと、しみじみ思いました。
IMAGE CRAFTさんといえば、その姉妹ブランドを含めてダーク系な作品が多かったのですが、本作で純愛路線も打ち出せるという事を明確に示したのではないでしょうか。以前から、アニメの作画には大変関心を持っていましたが、「I‐DOLL」は、その集大成ともいえる名作だと思います。今後の更なる活躍に大いに期待しています!(波城)
ジャンル:AVG ブランド:IMAGE CRAFT