ある日の夜、玄関先で捨てられていた三人の女の赤ちゃんを引き取って以来、彼女達の父親代わりとして大切に育て上げてきた主人公。両親が残してくれた小さな動物園を守りつつ今まで頑張ってきましたが、それも近所に立派な動物園が出来てしまってはもうどうしようもありません。
「もうだめだ～・・・」と意気消沈する彼に、「もっとしゃっきりしなさいよー！」とハッパをかける娘達。すっかりお年頃の年齢になった娘達に囲まれて、楽しく賑やかな、それでいてちょっとイイ話が沢山詰まっている作品です。
章立てになっている幾つものシナリオを、気の向くままに選んでいく事でエンディングが変化する仕組みになっている本作。簡単に好みの女の子と仲良くなれるのでお手軽といえますが、完全攻略はかなり厳しいものがありました。
プレイしての第一印象は、とにかく3人の娘達がよく笑うという事。それも結構な大きい声で、生き生きと喋り続けてくれるのです。女三人寄れば姦しい(かしましい)、そんなフレーズが自然と思い浮かばれる程の賑やかさで、非常に楽しくプレイできました。
さらに三者三様に、父親に対する接し方が異なっていたことも、キャラクターの個性をより強く際立たせてくれています。
三姉妹の長女・天乃川びうらちゃんは、スタンダードに「お父さんっ！」って呼んでくれます。一家の中で、皆のお母さん的な役割を担ってくれているびうらちゃんには、まさにピッタリな響きです。いつもは良識派だけど、時には大胆な行動もしちゃったりして・・・！ーーーそこが彼女の最大の魅力ですね。
スケバンギャルを自称する次女のえーたちゃんは、力強い声で「おやじーっ！！」と叫んでくれます。男勝りで喧嘩っ早い彼女には、これまたピッタリな台詞です。実は女性らしい面を多分に持ち合わせているえーたちゃんは、正義を愛する心優しい女の子でした。
そして末っ子の花梨菜ちゃん。この子はなんと「父ーっ！父ーっ！！」って呼んでくれます。とっても変わっていますよね！？でも、それがめちゃくちゃ可愛いんですっ！！常日頃から「花梨菜、アイドルになるんだもんっ！」とか、「お金だぁーい好きっ！」などと俗物的なことばかり口にする花梨菜ちゃんですが、それは弱い自分を奮い立たせる為の単なる強がりにしか過ぎません。親子の垣根を越え、相思相愛になってからの花梨菜ちゃんときたら・・・、それはもう寂しがり屋の甘えんぼさんに大変身しちゃうのです！特にヤキモチを焼いてくるところなんて・・・、いま思い出しただけでも幸せな気分に浸れちゃうほど可愛いのです。
義理とはいえ親子の恋愛を扱っている割には、重苦しい雰囲気が一切ないことも特筆すべき点でしょう。これに関しては、もっとシリアスなほうがいいという意見もあるかとは存じますが、あくまでも明るくポップにまとめられているこの独特な雰囲気が、私は大好きです！！（波城）
ジャンル：AVG ブランド：ぱんだはうす
