フルメタル・パニック？ふもっふ 全12話のレビュー

シリアスな戦闘シーンとラブコメの融合がとても上手くなされていた「フルメタル・パニック！」。その続編として製作されたのが本作「フルメタル・パニック？ふもっふ」です。

「ふもっふ」というヘンテコなタイトルからも判るとおり、今回のフルメタは完全なギャグアニメなので、シリアスな展開などというものは一切出てきません。戦争の事しか頭に無い相良宗介（ミスリルの軍人。階級は軍曹）と、その世話女房的な存在の千鳥かなめを中心に、ハイテンションな学園ラブコメディがこれでもかと言うくらい、描かれていました。

キャラクターの相互関係や世界観などの説明も全く無いため、正直いって前作を知らない人には何がなんだか判らないアニメだと思います。

でもそのおかげ（？）でフルメタのファンにとっては、最初から最後まで二人の掛け合い漫才を楽しめる濃い内容に仕上がっているのですから、これはこれで十分OKだといえるのでしょう。かくいう私も、前作のときからもっともっとラブコメの部分を観てみたいと思っていましたので、今回のギャグ路線には大賛成です。

宗介が銃撃や爆発騒ぎを起こす度に、かなめちゃんのハリセン突っ込みが炸裂する、そんな感じで物語は進んでいきます。

彼の事が好きなのに、意地っ張りな性格から素直に気持ちを表せないかなめちゃんのいじらしい側面が沢山見れますので、彼女のファンには堪らない展開ではないでしょうか。色恋沙汰に鈍感すぎる宗介に、「いい加減気付いたらどうなんだよっ！？」と、見ているこちらもヤキモキしっぱなしでした。

もちろん、美少女アニメの真骨頂ともいえるチラリズムシーンも随所に出てきますので安心（？）です。特に、相良軍曹の上官であるテレサ・テスタロッサ（愛称：テッサ）が学園に留学生として転入してきてからは、肌の露出度もぐっと上がってかなりソソるものがありました。

かなめちゃんと違い、自分の感情を素直に表現するテッサちゃんの言動はどれも見もので、スクール水着のヒップラインを後ろ手で直す仕草や、露天風呂で恥かしそうに前を隠す姿、はたまた自分の事を「水商売の女ですっ！」なんて言い切ってみたりするところなど、いたるところに見所が満載でしたっ。

私はどちらかというと、かなめちゃんよりもテッサちゃんのほうが好みなので、前作ではあまり見られなかった彼女の大胆なシーンを色々と拝めて本当に楽しかったです。

彼女達の大事な箇所が見えそうになる度に、おもちゃのアヒルや草木、虫などが邪魔をして紙一重の差で見えなかったりするのですが、こういったキワドイ描写を味わえるのも美少女アニメならではの醍醐味だといえますね！

フルメタのファンなら一度は観ておきたい作品だと思います。ただし、本作のヒロインはあくまでも千鳥かなめちゃんなので、テッサちゃんのファンにとっては彼女のあまりの出番の少なさに、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

ラブコメの楽しさは三角関係にあると思うので、テッサちゃんの扱いがかなめちゃんと同等だったらもっと良かったのにと、それだけが非常に残念でした。

最後までお笑いを貫き通した「ふもっふ」ですが、続くシリーズ第3期作「フルメタル・パニック！ The Second Raid」では、どのような展開をみせてくれるのか！？。今作との繋がりも含めて、そちらも是非観てみたいと思います。（波城）