アニメ・イン

フルメタル・パニック! 全24話のレビュー

勝気で意地っ張りの女子高生、千鳥かなめには本人も気づいていない隠れた能力が眠っていました。ウィスパードと呼ばれるそれは、一種の超能力みたいなもので、およそ常人では習得不能な未知の知識を、深層心理として手に入れることが出来るのです。

そんな彼女を悪の組織から守るべく、ミスリル(世界平和の為に秘密裏に組織された軍隊のこと。いかなる国家にも属さない。)より派遣された軍曹、相良宗介。堅物で融通の利かない宗介は、一般常識の欠如した行動で数々の問題を引き起こしていくのでした。

千鳥かなめ/テレサ・テスタロッサ
千鳥かなめ/テレサ・テスタロッサ

かなめと宗介を中心とした学園ラブコメとして始まった本作ですが、回を重ねる毎に、ロボットアニメとしての色彩が強くなっていきました。シリアスな展開も随所に出てくるようになり、見ごたえ十分な出来栄えとなっています。

ただ・・・、敵役として登場する「ガウルン」という男については、うっとうしいというレビューを持ったのも事実。

何度も何度もアームスレイブ(通称AS。ロボットのことです。)と共に爆散しておきながら、しぶとく蘇ってくる様には飽き飽きさせられます。最終回に至るまで、宗介VSガウルンという構図を引きずってしまった為に、ラブコメの部分が未消化のまま終わりを告げていることが、残念でなりません。

物語中盤から、ミスリルが誇る最新鋭潜水艦「トゥアハー・デ・ダナン」の艦長であるテレサ・テスタロッサ(愛称:テッサ)の扱いが、ヒロイン級に格上げされてきます。色恋沙汰の苦手なかなめちゃんは、宗介に対して好意を持ちつつもうまく表現することが出来ません。そこに、準ヒロインとなったテッサが恋のライバル宣言をすることで、新たな三角関係が生まれたのです。

三つ編みにした銀色の髪を鼻に押し当て、恍惚の表情を浮かべるテッサちゃん。もしかしてテッサって危ない子?そんな第一印象を持っていた私ですが、素の彼女は全く違っていました。

大佐としての使命感に燃えつつも、中身は16歳の乙女そのものです。感情表現がストレート・小さな子供のようにおてんば・そのくせ運動神経はゼロ!。まさに愛くるしいという表現がピッタリのキュートな女の子でした。

恋に対して積極的なテッサちゃんと、奥手なかなめちゃん。ウィスパード同士である2人が、仲のいい友人関係を築き上げていく過程をもっと見てみたかったです。(この点は続編の「ふもっふ」に期待したいですね。あぁ、米国盤の発売が待ち遠しい・・・。)

美少女に萌えてメカに燃える、とても熱い作品であることには間違いありません。(波城)

(英題:Full Metal Panic)8点

北米版アニメDVD

Full Metal Panic: Complete SeriesFull Metal Panic: Complete Series
ページトップ