NieA_7(ニア アンダーセブン) 全13話のレビュー
なんだか最近疲れがたまっているなぁ~・・・、な~んて時にはこのNieA_7(ニア アンダーセブン)で心をリフレッシュしましょう!他のアニメでは決して味わう事の出来ない軽快でまったりとした雰囲気に、真まで癒されること間違いなしです。
左:まゆ子/右:ニア
宇宙人と共存する近未来の日本。ありふれた下町にある老舗銭湯「荏の花湯」に下宿する貧乏予備校生のまゆ子ちゃんと、グータラな宇宙人ニアとの共同生活をメインに描いている、どちらかといえば地味な感じのアニメです。
でもその地味な中に、クスッとさせられる笑いの要素や、反対にしんみりとさせられる切ない描写がたっぷりと盛り込まれていて、それがなんともいえない心地よさを感じさせてくれるのです。
生活費を稼ぐ為、朝早くから夜遅くまでアルバイトに精を出すまゆ子ちゃんの生活環境は、はっきりいって最悪。少ない収入は学費にほとんど消えていき、わずかな食料はニアに食べられ消えてしまう日々・・・。そして肝心の勉強は夜遅くにしか出来ない等、それはもう可哀想な受験生なのです。それでも学校ではトップランクの成績を保っているのだから、その点だけ捉えても如何に彼女が頑張り屋さんな性格をしているのか、うかがい知る事ができますよね。
少しでも安い食材を買うためにお店の前で粘ってみたり、出前のアルバイトと言えずに「ウェイトレスをやってるの」と小さな見栄を張るまゆ子ちゃん。そんな自分が情けなくて落ち込んじゃったりするところがとても微笑ましかったです。
他にもパニックに陥ったときの絶叫ぶりや、人見知りで恥かしがりやところ、礼儀正しい物腰などなど、いい点を挙げれば本当に切がありません。
もう長いことアニメファンをやっているので、好きなキャラクターはそれこそ無数にいるのですが、お嫁さんにしたいとまで思ったキャラは、まゆ子ちゃんを含めて数十人(ちょっと多すぎかな?)しかいません。それ位、私は彼女に惚れています。
それに対し、ニアの素行の悪さといったらもう手のつけようがありません。インチキ宇宙船を作っては、まゆ子ちゃんや周りの人々に迷惑ばかり掛けちゃって・・・。少しは落ち着いたらどうなんだよと、お説教のひとつも言ってやりたくなっちゃう位、破天荒なキャラクターなのです。私だったら到底堪えられませんけど、そこは心根の優しいまゆ子ちゃんの事です。いつも喧嘩ばかりしていますが、なんだかんだいっても仲良く暮らしている、意外と相性のいい二人なのでした。
明確なラストといったものは存在しませんが、そういったヘタレなところも含めて、私は本作の雰囲気が大好きです。
最近の一般アニメは、『流行のキャラクターデザインを用いて萌えるシチュエーションさえ描いていれば大丈夫っ!』などといったレベルの低い作品が多すぎるように感じます。少なくとも昔のアニメには、もっと個性がありました。見た後も、なにかしらの余韻に浸れる印象的な内容をたくさん有していました!
私自身、アニメファンとしては結構古い部類の人間なので、必要以上にそう感じてしまうのかもしれませんが、その場限りの使い捨て作品ではなく、本作のように何年先までも語れるような味わい深いアニメをもっと観てみたいものです。(波城)