奴隷メイドプリンセス 美少女ゲームのレビュー

4.5
美少女ゲーム

だいぶ下がってきたとはいえ、まだまだ一本6,000円以上はするのが当たり前となっている美少女ゲームの世界。遊んでみたい作品が幾つもあるのに、値段の高さから泣く泣く諦めたということもしばしばあった私は、「せめてもう少し安くなってくれたらなあ・・・」と、ずっと願っていました。そんな想いが通じたのか、最近では2,000円台を主な価格帯とする作品もかなり多く出回るようになってきて、それはとても嬉しいことなのですが、だからといって安かろう悪かろうでは全く意味がありません。それらのレベルはどの程度のものなのか、試しに一本プレイして確かめてみました。

ロッテ・ビレンコーフェン

今回選んだのは、リリスの「奴隷メイドプリンセス」という作品です。リリスといえば低価格でマニアックな内容のゲームを専門に手掛けているソフトハウスなので、これはかなり期待できるのではないかと思い選んでみた次第です。

ストーリーはとてもシンプルで、王子である主人公が、敵国のお姫様で幼馴染でもあるロッテを自分の「奴隷メイド」として調教していく過程がひたすら描かれています。奴隷として調教するなんていうと、なんだか嫌がる女の子を無理やり犯していくような印象を抱くかもしれませんが、本作の場合はそうではありません。敵国の姫君として処刑されそうなロッテを、なんとか助け出して一緒に暮らせるようになりたいっ!!。あくまでもそんな恋心から彼女を奴隷メイドにしようとしているのであって、調教は全て両者の同意のもとで行われていくのです。

調教メニューは、とてもハードで信じられないようなものばかりですが(主人公の精液を食事代わりにする精飲調教や、内臓まで触手で弄くり回すものなど・・・)、主人公のことを心から慕っているロッテは決して嫌がったりせずに、むしろ進んで調教を受けてくれるので、悲惨さといった暗いイメージはほとんど感じられませんでした。女の子の泣き叫ぶ様子を堪能したいといった時には不向きかもしれませんが、相思相愛な二人がみせるラブラブな調教シーンというのもまた、これはこれで実用度が高くてとても良かったです。

意地っ張りで気の強い性格のロッテが、主人公の前でだけみせる素直な一面を思う存分楽しめるのも、本作の魅力のひとつだといえるでしょう。巷ではこういったタイプの女の子を「ツンデレ系」と呼んだりしてますが、奴隷メイドになってからも「浮気したら蹴ったり殴ったりしちゃうんだからっ!」なんて、拗ねてみせたりする彼女の可愛らしさといったらもう最高でした。そんな彼女を孕ませてしまうことも出来る本作は、ヌキ用には勿論のこと、キャラ萌えとしても十分に満足のいく出来栄えだと思います。

選択肢が少ないことや、調教をテーマとしているのにSLG的な要素が含まれていない点は、正直物足りなく感じましたが、この価格帯の作品にそこまでのボリュームを求めるのは流石に酷というものでしょう。女の子フルボイス、CG&シーン鑑賞機能の搭載など、基本的なものは全て揃っている、とても真面目に作られている作品だといえます。

安すぎるゲームはちょっと・・・。そんな私の固定観念は本作で見事に打ち砕かれました。続々と新作を発売しているリリスの今後に、これからも注目していきたいです。(波城)

ジャンル:AVG ブランド:リリス