新世紀エヴァンゲリオン 全26話のレビュー
1990年代中頃に製作されたこの作品は、当時のアニメファンは勿論のこと、広くマスコミ一般にまで取り上げられる程の社会現象を巻き起こしました。
人間のメンタル面を深く掘り下げていくことに主眼を置いている作品だけあって、ストーリーは正直なところ難解なものだったといえますが、それが結果的にあの異常なまでのエヴァブームを作り出していくことになるのですから、世の中って不思議なものですね。
表面上は、使徒と呼ばれる謎の敵とそれに対抗する為に設けられた特務機関「ネルフ」との戦いを描いたロボットアニメとして捕らえることが出来ますが、その根底には、登場キャラそれぞれが有する「心の空洞」を、痛いくらいにまで追求し続けていくといった姿勢が伺えてきます。
しかしながら、小難しい内容だけでは敬遠されてしまうというもの。そこでエヴァでは、いわゆるファンサービスにも十分に気を配った演出が施されているのです。作中で葛城ミサトが「サービス♪サービス♪」と言っている通り、セクシャルなシーンがテンコ盛りなところもエヴァの魅力の一つだといえるでしょう。
いや、むしろ「綾波レイ」と「惣流・アスカ・ラングレー」という2人の女の子あってこそのエヴァンゲリオンだといったほうが適切かもしれません。彼女達が居なかったら、少なくとも私は最後までこの作品を見続けることはなかったと思います。
負けん気が強く行動的な「惣流・アスカ・ラングレー」に、無口で何を考えているかわからない暗い雰囲気を漂わせている「綾波レイ」。
終盤になるにつれ精神崩壊を引き起こしていくことになるアスカに激しく同情し、そして、包帯を巻いたレイの病弱な姿からは新しいヒロイン(萌え)の属性をみせつけられたような気持ちになりました。両者とも「はかなげ」であるが故に、守ってあげたいという心理がより強く働くのでしょうか?未だに忘れられないキャラクターとして心に残っています。
結論の先送りされたTV版に、それを補完する意味合いで製作された幾つかの劇場版。おかげでいまだに内容を理解しきれてない面が多々あるのですが、とりあえず今は、本作の命題ともいえる「人類補完計画」=「心の空洞に対する内外からの働きかけ」、といった図式を思い描いています。
なんだか訳のわからないことを長々と書いてしまいすみませんでした。エヴァのことを考えると、どうにも屁理屈を唱えてみたくなっちゃうんですよね。反省せねば・・・。(波城)