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ゆるキャン△第1期全12話と続編「へやキャン△」のレビュー

キャンプをきっかけに仲良くなっていく女子高生5人の、ほのぼのとした日常や趣味のアウトドアに思い思いのスタンスで向き合っていく姿がゆったりと描かれていて、観ているだけで何度も心が癒されました。

富士山を中心とする山々やその周囲の湖、林の中の散策、数々の名所や観光スポットなど、背景についても凄く素敵に、まるで絵画のように描かれていて、そんなところもこのゆるキャン△の大きな魅力のひとつとなっています。

野クルの3人組

野クルの3人組
野クルの3人組(犬山あおい・大垣千明・各務原なでしこ)

静岡県の西側にある浜松市から、山梨県の南の端に位置する南部町という小さな町に引っ越してきたピュアで明るい女の子の各務原なでしこ(かがみはらなでしこ)が、ソロキャンと呼ばれる一人で行うキャンプに強いこだわりを持つ群れない女の子、志摩リン(しまりん)と本栖湖の湖畔で偶然出会うところから本作の物語は始まっていきます。

ソロキャンパー・志摩リン

ソロキャンパー・志摩リン
ソロキャンパー・志摩リン

そのときに味わったキャンプの楽しさが忘れられなくて、何の予備知識もないところから「自分もキャンプを始めたいっ!!」と、目標に向かって突き進むなでしこちゃん。学校の野外活動サークル(通称:野クル)に早速入部して、部長の大垣千明(おおがきちあき)&犬山あおい(いぬやまあおい)のコンビともすぐに仲良くなって、お金も道具も全然足りないところから3人力を合わせて野クルはじめてのお泊りキャンプを成功させるのでした。

野クルというアウトドアサークルを立ち上げたものの、熱しやすく冷めやすい性格の千明ちゃんと、のんびり屋のあおいちゃんは、なかなか実際の行動にまでは踏み出せずにいました。その2人の背中を押すきっかけになったのは、人懐っこくて思い立ったら一直線の性格のなでしこちゃんでして。

そんな彼女が一人を好むリンちゃんに対しても持ち前の行動力でどんどんぶつかっていくことで、新たな展開が次々生まれてくるところも観ていてとても楽しかったです。

また、本作ではアウトドアに関する豆知識も随所に盛り込まれていました。

例えば松ぼっくりは油分が含まれているので焚火をする際に簡単に火がついて種火として使えるだとか、備長炭になかなか火がつかないときは、成型炭と呼ばれるオガクズや炭の粉を固めて作った人工の炭を使えば簡単に火がつくだとか、更には寝袋やテントなどの種類、キャンプに向いている場所のあれこれやキャンプ場の利用方法、手軽に作れるキャンプご飯の数々など、知らないことを色々と楽しく学ぶことも出来ました。

インドア派・斉藤恵那

インドア派・斉藤恵那
インドア派・斉藤恵那

終盤になると、リンちゃんの数少ない友人でインドア派の斉藤恵那(さいとうえな)ちゃんもキャンプに興味を抱くようになります。

恵那ちゃんの後押しもあって、最初は鬱陶しいと思っていたなでしこちゃんとも仲良くなっていくリンちゃん。そこから更に、なでしこちゃんを中心とした友達の輪が自然と広がっていって、今までとはまた違ったキャンプの楽しさ、新しいバリエーションを見せてくれるようになる本作。

まだまだこれから先も、彼女たちのマイペースで愉快なキャンプは続いていくんだろうなと感じさせてくれる終盤の展開も本当に素敵でした。

2020年1月からは「へやキャン△」がスタート!

2020年1月からは、2年ぶりとなる続編がへやキャン△という約3分ほどのショートアニメ形式で放送開始されています。

第1期でも、各回のエンディングの後に同じタイトルでショートコント風のアニメが放送されていましたが、今回は部室の中から飛び出して、作品の主な舞台である山梨県の県内にある幾つもの観光スポットを巡る旅仕立ての物語となっています。

前半では富士五湖地方の、特に河口湖周辺にスポットが当てられていて、河口湖大橋を自転車で渡ってブルーベリーとお花畑で有名な大石公園に行ったり、昔話のカチカチ山の舞台となった場所に河口湖ロープウェイで訪れるなど、なんだか自分も一緒に観光巡りをしているような気持ちになれるので、毎回楽しみに見ています。

今回はショートアニメ形式ですが、この先にはテレビアニメ第2期の放送や映画化がすでに控えていますので、ファンとしてはますます楽しみな限りです。公式サイトも要チェックです。(波城)

(英題:yurucamp)10点
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