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たまこまーけっと 全12話のレビュー

どこにでもありそうな小さな商店街を舞台に、餅屋の長女たま子と周りの人々との交流や、何気ない日常を描いているハートウォーミング系のアニメです。

生まれ育ったうさぎ山商店街の事を心から大切に思い、またお餅の事も大・大・大好きな彼女は、その他の事(特に恋愛関係)にはとても疎い性格をしていて、その純粋なまでの鈍さが物語全体に何とも言えない安心感というか、優しい雰囲気を醸し出していました。

北白川たまこ/常盤みどり/牧野かんな/デラ

北白川たまこ/常盤みどり/牧野かんな/デラ
北白川たまこ/常盤みどり/牧野かんな/デラ

そんな空気感を良い意味でかき乱してくれたのが、南の島から王子のお妃探しのためにやってきた喋る鳥・デラの存在です。気位が高く、しかも有り得ないくらい饒舌に喋り捲る不遜な態度のデラによって、たま子たちの日常は一気に賑やかさを増していき、また色々と動き出しても行くのです。

人間顔負けの洞察力で、人の胸の内をズバズバと言い当てていくデラに、終始振り回されっぱなしのもち蔵(たま子に片思い中の幼馴染)や、同レベルで可愛く言い争うあんこちゃん(たま子の妹)やみどりちゃん(たま子の同級生)。

はたまた逆に、全く動じないどころか手玉に取っている節もあるカンナちゃん(同じくたま子の同級生)や、この状況に素直に順応しちゃっているたま子ちゃん、そして個性あふれる商店街の人々など、デラの存在が良いスパイスとなって、十人十色の様々な人間模様をゆっくりと楽しむことができました。

物語の後半では、デラを追ってチョイちゃんという女の子がやってくるのですが、この子にまるで頭の上がらないデラが、それまでのふてぶてしい態度から一転して平身低頭しまくる姿もかなり新鮮で、また違った面白さが感じられて楽しかったです。

結局、お妃探しはうやむやのまま終わってしまいましたが、以前と何も変わらない、そんな終わり方も、ある意味このアニメらしくて、個人的には十分アリだなって感じました。最後までおとぎ話的な世界観を楽しむことができたのですから。(波城)

(英題:Tamako Market)8点

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