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ガールズ&パンツァー 全12話のレビュー

とても面白くて、しかも自然と心まで熱くなってくる見応え満点の傑作アニメだと思います。最初は、美少女と戦車の組み合わせがあまりにもミスマッチに感じられて、さほど期待することもなく、ただ話題になっているという理由だけで見始めたのですが、開始直後いきなりはじまった戦車同士の激しい追撃シーンや、女の子同士の深い友情シーンにあっという間に魅せられてしまって、そのまま最後まで一気に見てしまいました。その後も、何度も何度も繰り返し視聴してしまうくらい、今では自分の中で最も大好きなアニメのひとつとなっています。

西住みほ

西住みほ
西住みほ

乙女の嗜みとして、華道や茶道などに並ぶ存在として位置づけられている戦車道。その中の著名な流派である西住流の次女として生まれ育った西住みほちゃんが、とある事故をきっかけに戦車道から離れ、逃げるように大洗女子学園に転校してくるところから、この物語ははじまります。

内気で人見知りな彼女は、新しい環境に馴染めず孤立してしまうのですが、そこに武部沙織と五十鈴華の仲良しコンビが声をかけてくれて、この二人の優しさに支えられる形で、みほは再び戦車道の世界へ戻る決意をすることになります。

しかし、そもそも20年以上も前に戦車道をやめてしまった大洗女子学園に、まともな戦車など残っているはずもありません。経験者もみほ一人だけで、あとは全員素人ばかりの寄せ集め・・・。そんな状況から、ある目的を達成するために戦車道全国高校生大会での優勝を目指していく彼女たちの、山あり谷ありの成長過程が、全編に渡って熱く激しく、そして情感豊かに描かれています。

トラウマを抱えながらも、隊長(車長)として毅然に指揮を執る頑張り屋のみほちゃん。ムードメーカーとしてチームを明るく奮い立たせてくれる通信手の沙織ちゃん。華道家元のお嬢様で落ち着いた佇まいが射撃の腕にもつながっている砲手の華さん。生粋の戦車オタクでみほのことを「西住殿」と敬愛する装填手の優花里ちゃん。そして口数は少なく愛想もないがチーム1の才女として、何かと頼りになる操縦手の麻子ちゃん。

といった具合に、どんな困難でも固い結束で乗り切っていくあんこうチームを筆頭として、その他のカメさんチーム(生徒会チーム)やアヒルさんチーム(バレー部チーム)、カバさんチーム(歴女チーム)にウサギさんチーム(1年生チーム)、カモさんチーム(風紀委員チーム)、レオポンさんチーム(自動車部チーム)、アリクイさんチーム(ネット戦車ゲームチーム)といった大洗女子学園の面々が、ともに絶妙なチームワームを発揮しながら勝ち抜いていくさまは、いつ見ても本当に心がワクワクさせられます。

いわゆるミリタリーアニメはいくつもあれど、このガールズ&パンツァーのように実車に則したリアリティー満点の戦車が、ここまでふんだんに登場してくるアニメというのはそうそうないと思います。

また、硬派なだけでなく美少女アニメとしてもしっかり成立している点(かなり短めのスカートや全裸での入浴風景などドキドキなシーンもいっぱいです)も、このアニメがここまで高い支持を得ている所以であるとも言えるでしょう。かくいう私も、戦車戦の迫力・面白さはもちろんのこと、彼女たちのキャラクター性・愛らしさに、今でも大いに惹かれています。(波城)

(英題:Girls Und Panzer)10点

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