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僕は友達が少ない 第1期・第2期のレビュー

第1期 全12話/OVA全1話

三日月夜空/柏崎星奈
三日月夜空/柏崎星奈

子供のころの親友に偶然再会した一人の女の子・三日月夜空が、その男の子・羽瀬川小鷹と再び共に過ごしたい一心で立ち上げた「隣人部」という名の部活。当初は自分と小鷹の、二人だけの部活として活動していく予定だったのに、そこに次から次へと舞い込んでくる一風変わった新入部員(全員女性)たちのせいで、いつの間にか彼を中心としたハーレム状態な部活動になってしまい、そのことに内心やきもきしながらも平静を装って意固地な言動ばかりを繰り返す夜空のことが、私は観ていて一番気になって仕方がありませんでした。

小鷹の周りは、ある意味粒ぞろいな美少女たちで溢れかえっていて、その中でも特に、女王様気質で金髪巨乳なお嬢様・柏崎星奈とはとことん反りが合わないというか、とにかく何かあるたびにいがみ合ってばかりいるのですが、彼女を含め周りの女性全員のことを、多かれ少なかれ疎ましいと思っている夜空と、実は同性の友達が出来てちょっぴり嬉しく思っている星奈とでは、なかなか気持ちが通じ合わないのも当然な訳でして、そのギャップから生じるハチャメチャな騒動も、本作では大きな見どころの一つになっていました。

ひねくれた性格のせいで、いつまでたっても自分が子供のころの親友だったと小鷹に告白できない夜空に、観ている私もずっとやきもきさせられっぱなしで、また一方では、高飛車ながらも素直に小鷹との距離を縮めていく星奈の淡い恋心も可愛くて仕方がなくて、観れば観るほど、どちらも応援したい気持ちでいっぱいになっていく、そんなアニメでもありました。

最終的には、夜空のある行動が引き金となって、小鷹の記憶に子供のころの夜空がよみがえるのですが、そこからはじまる新たな展開は、続編の僕は友達が少ないNEXTまでお預けといった感じで、この第1期は結ばれています。はがないNEXTでは、夜空や星奈だけでなく、楠幸村や志熊理科といった、第1期では狂言回し的な存在であったその他の女性陣も、本格的に小鷹争奪戦に参加してくることになるので、ここは是非とも1期・2期まとめて観てみたいところです。

あ、そういえば小鷹のリアル妹の羽瀬川小鳩ちゃんと、自称妹の高山マリアちゃん二人の、いかにも子供らしい言動やケンカの数々も観ていて大変面白かったです。あの独特の喋り方、ハイテンションな振る舞いに、何度もクスッとさせられました。

第2期 はがないNEXT 全12話

夜空
夜空

はがない第1期終盤で、ようやく幼いころの記憶を思い出した小鷹。これで一気に夜空との仲が進展するのかと思いきや、恋愛沙汰に極端に鈍い彼のせいで、余計に話はこじれていくばかりで、そんな状況に夜空や星奈をはじめ、周りの女性陣もイライラを募らせていくことになります。

本当は、自分が皆から好かれていることに気付いているのに、現状の居心地のいい関係を壊したくなくて、あえて聞こえないふりをする小鷹ですが、そのあまりの鈍感な態度には、観ている私もさすがにイラッとさせられました。ラブコメの主人公というのは確かに鈍感でないと務まらないポジションではあると思いますが、あれだけ偏屈な態度ばかりとっていた夜空やプライドの塊である星奈が、あそこまで頑張って好意を伝えようとしているのに、それを完全に無視するなんてあまりにも酷すぎると思うのです。

そういった視聴サイドのイライラを作中で代弁してくれたのが、変態マッドサイエンティスト(だとばかり思っていた)志熊理科でした。当初は、エロいことばかり連発する単なるお騒がせキャラだった彼女が、ここへきて小鷹の煮え切らない優柔不断な態度に何度も的確なツッコミを入れてくれて、そのたびに「そうだよ、そうだよ」と頷きながら観てしまいました。もしかすると、隣人部女性陣の中で最も部のことを大事に想っている子は、この理科なのかもしれません。そう思えるほどに、彼女の献身的な一面がうかがえるシーンが数多く描かれていました。

結局このはがないNEXTでも物語は完結していなくて、この先は続く第3期の登場まで待つことになります。理科や星奈、幸村など、どの子も皆本当に良い子ばかりで、全員に幸せになって欲しいと心からそう思うのですが、ここまできてもやはり個人的に一番気になってしまうのは、どうしようもなく頑固でヘタレで臆病な夜空のことなんですよね。ダメな子ほど可愛いと言いますが、自分もまさに同じような心境で夜空のことを見ています。(波城)

(英題:Haganai/Haganai Next)9点

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