俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している(のうコメ) 全10話のレビュー
「人生は選択の連続である」と、このアニメでは説いていて、実際その通りだと私もしみじみ思うのですが、その選択肢を第三者(作中では神様)から無理やり与えられ、しかもその中から必ずどれかひとつを選ばなければならないといった、とんでもない呪いをかけられた男子高校生のハチャメチャな日常を描いたラブコメアニメです。
ショコラ
絶対選択肢と自ら名付けた、その理不尽な選択によって、本来なら常識人でモテる部類に入るはずの彼が、泣く泣く変態行為を続けていくわけですが、そんな彼の周りにいる女の子達もまた、一癖も二癖もある個性的な子ばかりで・・・。互いの相乗効果から、どんどん新たな誤解と偏見が生み出されていく、そういったところが観ていてとても面白かったです。
キャラクターの性格設定や人間関係が丁寧に考えられている点も、観ていて好感度が高かったです。
一見すると、ハイテンションなギャグとエッチな描写のオンパレードばかりが目立つ「のうコメ」ですが、それらはあくまでも、物語を盛り上げるスパイス的なものであって、このアニメの本質・見どころは、個々のキャラクターの外面と内面のギャップの大きさにこそあるのです。
どこ娘も心に深い悩みや葛藤を抱えていて、それを周りに悟られないように、または一時的にでも忘れようとして、お馬鹿な振る舞いばかりしてしまう・・・。そんな彼女たちの弱い側面が見え隠れするたびに、私はなんとも愛くるしい気持ちでいっぱいになってしまうのでした。
あくまでも誠実であろうと頑張る主人公の性格も、観ていてとても気持ちの良いものでした。結局、絶対選択肢は無くならず、主人公を取り巻く女の子達の微妙なライバル関係もそのままで終わってしまいましたが、まだまだいくらでも続きは描けると思いますし、ファンとしては是非ともこの先の結末を観てみたいところです。(波城)