グリーンレジェンド乱 全3話のレビュー
突如宇宙から飛来してきた巨大な柱みたいなものに、地表の水と緑をほとんど取り込まれてしまった地球。聖母と呼ばれるその巨大な物体と、それを崇めるロドー教の存在によって、日々苦しめられている人々の様子が、かなりシリアスに、そして躍動感たっぷりに描かれているのが、このグリーンレジェンド乱というアニメです。
乱/アイラ
そもそもは、人類自らが自然を散々汚染してしまった結果から、それを浄化するために聖母が舞い降りてきたんだという図式が、この作品内では出来上がっているのですが、その中で暮らしている一般の人々にとっては、ロドーという存在は迷惑以外の何者でもありません。生きていくために欠かせない飲料水の大部分を、ロドーによる施しによってしか得られないだなんて、そんな生活たまったもんじゃありませんよね。
こうしたロドーによる圧制に、主人公の少年・乱が果敢にも挑んでいくのですが、その動機付けといいますか、原動力となっているのが、母親の敵討ちと想いを寄せる女の子・アイラの存在というわけでして、その目標に向かってガムシャラに突き進む彼の姿と、明るく健気に生きるアイラの可愛らしさが、本作の大きな見所のひとつとなっています。
とても活発で人一倍優しくもあるアイラが、過酷な運命に翻弄される度にどんどんと笑顔を失っていってしまって、心の底から悲しんだり苦しんだりする姿は、見ていて本当に可哀想で可哀想で仕方がありませんでした。周りの人達とは異なる銀色の髪の毛のせいで、幼い頃から散々虐められてきた彼女ですが、その髪のせいで、今度は命まで狙われてしまうだなんて・・・。物語の中盤以降は、アイラの苦悩するシーンが次々と出てきて、なんとも言えず堪らなかったです。
そんな彼女が、乱の頑張りと思いやりの気持ちによって心身ともに救われて、ようやく本来の明るい自分を取り戻していくようになるのですが、その際にみせる彼女の安心し切った仕草、そして感極まった喜びの表情に、見ている私は思わずドキっとしてしまいました。以前から、魅力的な女の子だなあとずっと思っていた私ですが、今回改めてこのグリーンレジェンド乱を見て、もっともっと彼女のことが好きになりました。私にとっての理想の女性像、そう言っても過言ではないくらい非常にチャーミングで芯のしっかりとした女の子です。
ロドーの軍隊と、反ロドーを掲げる武力組織・ハザードとの間で巻き起こる、まさに血で血を洗う激しい戦闘シーンの数々や、無鉄砲な乱を力強く導いてあげるジーク(ハザードの元リーダー)の男気溢れる優しさ、そしてその仲間達がみせる気概に満ちたカッコイイ姿などなど、本当に見所の多い、非常に充実した内容に仕上がっているアニメだといえるでしょう。
観る者のハートを熱く夢中にさせてくれる美少女アニメとして、何時までも大切に心に刻み続けたい、そんな素敵な作品です。(波城)