ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて 全5話のレビュー

元々は、「The Soul Taker～魂狩～」の敵役として登場してきた小麦ちゃん。雑誌で彼女をはじめて見た時、そのあまりの可愛らしさに一発でファンになってしまった私ですが、まさかそのあと、本作のような代物が作られるなんて夢にも思っていませんでした。しかも魔法少女として再び登場するなんて・・・。

これでは「天地無用」の砂沙美ちゃんの人気にあやかって作られた「プリティーサミー」と全く同じ展開じゃあないかと、正直不安な気持ちで一杯だったのですが、アニメを見る前に読んだコミック版の出来があまりにも良かったので、とりあえず一度は観てみる事に致しました。

国分寺こよりと中原小麦

地球侵略を企むアングラーとその忠実な部下であるマジカルメイドこよりちゃん。彼等からこの星を守る為に、突然マジカルナースに選ばれた中原小麦ちゃんは、そのノリと勢いだけでマジカルナースになることを快諾しちゃいます。持ち前の明るさと行動力で、次々と巻き起こる問題を解決していく・・・、そんな感じの物語です。

第一話から、きちんとした説明も無いままに（小麦ちゃんとそのお供のムギまるによる、紙芝居風のイントロが用意されているだけです）、いきなり物語がスタートした時には、少々戸惑いを感じてしまいましたが、内容的にはそれなりに楽しめるものでした。

ちょっと舌足らずな口調で喋りまくる小麦ちゃんは、見ているだけで愛くるしかったですし、なにより敵のマジカルメイドこよりちゃんのコスチュームが素晴らしく刺激的で、これには心底やられちゃいました♪

貧乳な小麦ちゃんとは対象的に、大きな胸をこれでもかと主張しまくるこよりちゃんですが、その彼女が「・・・でっ、ございますわ」といった独特のイントネーションで喋る度に、萌え心が満たされる思いでした♪

このように、最初の頃は結構楽しみながら観ていたのです。ところが、回が進むにつれて物語りはだんだんとハチャメチャな展開をみせて行く事になり、とうとう最終回に至っては理解不能なものにまで成り果ててしまったのです。

あまり悪くは言いたくありませんが、バカでやかましい新キャラクターの出現により、ストーリーがここまで台無しにされてしまうなんて・・・、もう情けなくて仕方ありませんでした。

こよりちゃん（ちなみに、変身前の国分寺こよりちゃんではなくて、マジカルメイドに変身した後のこよりちゃんを指していますので。念の為・・・）の魅力を、外見ばかりと捉えている点にも腹立たしさを覚えます。

彼女の本当の魅力は、その性格設定にこそあるのですよっ！？生意気な態度をしているわりには打たれ弱かったり、以外にも人情家な面を持ち合わせていたりなど、その人格こそが、こよりちゃん最大のチャームポイントのはずなのに、そういった彼女の内面の美しさを十分に描ききれていないアニメ版には、到底納得することが出来ませんでした。（・・・まあこれも、コミック版の彼女を知っているが故に思うことなのかもしれませんけど・・・。）

とにかくあの最終回さえ無かったら・・・。そう思うと本当に残念でなりません。

次回作「Z」では、小麦ちゃんやこよりちゃん、さらには途中までいい味を出していた脇役の面々を含めて、皆さん大切に扱って欲しいと、そう切に願うばかりです。（波城）