アニメ・イン

トップをねらえ! 全6話のレビュー

謎の宇宙生命体の攻撃によって、壊滅的な損害を与えられた地球艦隊。未知の敵から母なる星を守る為、世界中の優秀な人材を集めて結成されたのが、「トップ」と呼ばれる特殊部隊でした。その「トップ」になる事を、半ば強引に進められてしまったヒロイン「タカヤノリコ」ちゃんの、成長物語を主軸に置いた爽快感溢れるSFロボットアニメです。

Gunbuster
アマノカズミ/タカヤノリコ/ユングフロイト

親のコネでトップ候補に選ばれたと、周りの皆から陰口を叩かれ泣いてしまう姿が、なんともいじらしいノリコちゃん。でも、基本的に明るく前向きな性格をしている彼女は、へこたれずにひたすら頑張っていくのです。そんな姿を見ていると、自然と応援してあげたい気持ちで一杯になってしまいました。

めでたくトップの一員となった後も、数々の困難に襲われてしまうのですが、憧れのお姉さま(アマノカズミ)や、頼りがいのある教官をはじめとする、周囲の熱き想いに支えられ、ノリコちゃんはたくましく成長していきます。

間接キスだけで頬を真っ赤に染め上げる初心なシーンも含めて、彼女の可愛らしさ・美しさ(やはり美樹本キャラは最高ですっ!)の全てが、画面からとても強く伝わってきました。

全6話から構成されていますが、物語は第4話で一応の結末を迎えていると、私は勝手に解釈しています。5話以降でその作風を大きく変化させた本作は、最終話に向かってひたすら悲しい物語を綴っていくことになるからです。時間の流れに取り残されていくノリコちゃんとお姉さま、そして彼女達と共に生きてきた人々の、後日談的なストーリーが描かれた、なんとも物悲しい気持ちにさせる内容でした。

確かに、キャラクターのその後の人生には多分に興味がありますが、なんといいますか・・・、その・・・、あえて描かなくても良かったのでは!?と、正直そう感じたりも致しました。でも、それも作品全体に深みを持たせるには、必要な事なのでしょう。今はそう考えています。

鉄下駄を履いて階段を駆け上がるお姉さまの姿や、腰にロープを巻きつけてタイヤを引っ張りまわすロボットの滑稽さなど、昨今のリアルSFアニメ路線では考えられない、可笑しなシーンも多数登場する本作ですが、それが作品に独特な勢いを与えているのだから不思議なものですよね。

単純明快で快活なストーリーは、SFアニメ本来の楽しさを存分に味合わせてくれます。物語の内容を把握することだけで精一杯といった、小難しいアニメに閉口したことがあるならば、是非とも本作を観て欲しいと思います。(波城)

(英題:Gunbuster)9点

アマゾンで作品を購入

GunbusterGunbuster
ページトップ