マシンロボ クロノスの大逆襲 全47話のレビュー
機械生命体であるマシンロボ達が平和に暮らしているクロノス星。この星には「ハイリビード」と呼ばれる、未知の力を秘めたエネルギー物質が存在していました。この「ハイリビード」を略奪せんが為に、悪の軍団ギャンドラーはマシンロボ達を次々と殺戮していきます。
クロノス族族長の息子ロム・ストールは、亡き父キライより授かった剣狼を手に、妹のレイナや仲間達(ブルー・ジェット、ロット・ドリル、ジム)と共にギャンドラーに立ち向かっていくのでした。
レイナ・ストール
1986年に製作されたこの作品は、当時のアニメファンの間で一大ブームを巻き起こしました。開始当初は、無機質なロボットが登場するだけの、どちらかといえば子供向けヒーローアニメだったのですが、回を重ねるごとに女性キャラクター(特にレイナ)の美少女度がどんどん増していったのです。
能面みたいな顔には眉毛が付き、ヘルメット頭からは栗色の髪の毛をのぞかせるようになります。仕舞いには、ロボットであることを唯一証明していたゴツイ間接部品さえも、滑らかで目立たない物へと変わってゆきました。こうなるともう、生身の女の子がコスプレをしているようにしか見えません。
「ロム兄さ~ん!!」と甘える彼女に、「レイナ!!」と熱いまなざしで答えるロム・ストール。この2人のやり取りをみて、禁断の兄妹愛を想像した人もかなり多かったのではないでしょうか。
本作では、ロムに色目を使う美少女達が次から次へと登場してくるのですが、その度にレイナちゃんは嫉妬心を燃やして拗(す)ねまくります。このキュートな振る舞いに、現代の妹キャラの原点をみた気がします。
勿論、熱血ロボットアニメとしての見所も満載!ギャンドラーのコマンダー達を前に、ロムが唱える口上(決め台詞)はその代表格です。
「人それを・・・・・・という」「貴様等に名乗る名前はない!」といったかたちで、毎回違ったセリフを述べるのですが、そのどれもが名言集にしたいくらいのかっこよさ!彼こそ、ヒーローの鑑と呼べるお方ですね。
話数ごとにキャラデザが大きく異なってくることから、「作画アニメ」と称されている本作。デザインの統一が図られていないのは問題ですが、どの作画も素晴らしい出来栄えなので、違和感は全く感じませんでした。なんともいえない爽快感に浸れる、80年代を代表する秀作だと思います。(波城)