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成恵の世界 全12話のレビュー

庶民派SFラブコメディーと銘打たれた作品でしたが、それにはどのような意味を込めようとしていたのでしょうか?。最終話まで見終えたとき、そんな疑問が自然と湧き上がってきました。

ヒロインの七瀬 成恵は宇宙人です。彼女は、宇宙パトロールの地球在中員を勤める父親とともに、地球人の中に溶け込んで普通に生活していました。

彼女達は宇宙忍者という悪者に狙われているらしく、その忍者に襲われそうになったところを助けてもらった飯塚 和人(中学生)は、その場で彼女に一目惚れしちゃいます。

他人を寄せ付けない無愛想な雰囲気の成恵ちゃんでしたが、和人の「宇宙人でも構わない」という一言によって、とたんに明るく素直な子へと変貌することに。

出会ってすぐに相思相愛となった2人は、以後ラブラブな日常を送り続けることになるのでした。

七瀬成恵:中央/飯塚和人:左

七瀬成恵:中央/飯塚和人:左
七瀬成恵:中央/飯塚和人:左

2人の日常の描写を、生活臭を漂わせながらまったりと行うことで、肩肘の張らないリラックスしたSF作品に仕上げること。これこそが、成恵の世界が目指していた世界観なのでしょうね。

確かに狙いは素晴らしいと思います。でもこれって結構難しいことなのではないでしょうか!?日々の営みに焦点を当てていく以上、登場するキャラクターが生き生きと描かれていないことには、お話になりません。

なんといいましょうか、登場キャラ全てにいえる事なのですが、現実感・親近感というものがまったく感じられないのです。

「そうそう、こういう子いるよね」とか、「うんうん。ついついやっちゃうんだよね」とか、見ていて同調出来る部分があってこそ、作品とのシンクロ感も高まるというものです。地に足の着いていないキャラに、リアリティーを感じることなど到底不可能です。

成恵ちゃん。物分りがよすぎます・・・。もっと怒ってもいいんだよ。

和人よ、彼女の前で魔砲少女四号ちゃん(作中アニメのこと。)のことを絶賛している場合じゃあないだろ、見ているこっちのほうが恥かしいぞ!。

第一話と最終話にだけ、ほとんど意味もなく登場してくる宇宙忍者ども!お前等強いんだか弱いんだかはっきりしろ!!。

・・・まだまだ突っ込みたいところは多々ありますが、キリが無いのでやめときます。庶民派SFなんだから安易な作りこみでも大丈夫さ、などと勘ぐりたくなってしまう位、何の脈絡も感じられない作品でした。

成恵ちゃんが非常に可愛かっただけに、もっと彼女を生かしきって欲しかったです。その点が残念でなりません。(波城)

(英題:The World Of Narue)4点

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