藍より青し 全24話のレビュー
日本有数の大財閥の跡取り息子(現在、家出中)花菱薫と、同じく日本屈指の呉服屋の娘、桜庭葵の二人を中心とした恋物語。
辛く忌まわしい過去を捨て去るために家を出た薫の元に、彼を幼少の頃から慕っていた葵が単身会いにやってくる、といった具合に物語が始まります。
掟を背負った二人の恋愛模様が深く丁寧に描かれていくのであろうと、期待させられる設定ですよね。私も第一話を観たとき、期待しました。なのになんですか?この薄っぺらい展開は!!。
雅/ティナ/妙子/薫/葵
二人の関係はなんの障害もなくあっさりと認められ、さらに桜庭の家からは豪華な洋館まで提供してもらい、ヌクヌクと平和に暮らし始めます。
回を重ねるごとに、登場人物がどんどん増えていきますが、誰一人薫と葵の関係を疑う者は出てきません。
葵は薫のことを、「薫様」と呼んでいるんですよ!?。あの状況を見せ付けられても気が付かないというのは、いくらなんでも設定に無理があります。
「様」と呼ばれて平然としている、薫の不遜な態度にはあきれます。葵の態度も従順すぎて、好きにはなれませんでした。
このアニメではメインの二人よりも、周りをかためるティナ、妙子、雅、ちか、等といったサブキャラクター達のほうがよっぽど人間的魅力に溢れているのです。
ドジだけど明るく頑張る妙子、豪快だけど繊細でもある可愛いティナ、普段は恐いけど実は優しい雅、元気で素直な、ちかちゃん等、皆いい子ばかりです。
最初の深い設定はどこへやら、いつのまにか単なるお色気丸出し能天気アニメとなってしまったこの作品。
底の浅い物語の人気をどうにか維持していこうという、情けない魂胆のために、ティナや妙子やちかちゃんを、これでもかといわんばかりにお色気担当として登場させています。
そして思い出したようにたまに、とってつけたような重いシーンを入れてきますが、はっきりいってこれでは逆効果です。潔くないですよね。
サブキャラ達は、本当にどの子も生き生きとして可愛いです。このアニメをなんとか最後まで見続けることが出来たのも、全部彼女達のおかげでした。(波城)
登場キャラクター寸評
桜庭 葵 (5)
桜庭館の大家。薫の許婚。まさに大和撫子を具現化した女性。薫に対して従順すぎます。もっと自分に自信を持てばいいのに。
花菱 薫 (3)
明立大学生。写真部所属。もっと人の気持ちを察することの出来る人間になりなさい。周りの人々が可哀想です。
ティナ・フォスター (8)
明立大学生。写真部所属。アメリカ人ですが、生粋の九州っ子といった感じ。本当は恥かしがり屋さんです。
水無月 妙子 (8)
明立大学生。写真部所属。ちょっと天然ボケが入っていますが、努力家です。ちょっとだまされやすい性格です。
神楽崎 雅 (8)
葵の後見人。桜庭館の管理人。クールな雰囲気を漂わせていますが、非常に情の厚い人。
美幸 繭 (7)
美幸紡績のお嬢様。帰国子女。意地っ張り屋で、寂しがり屋さん。根は優しい。
水無月 ちか (8)
妙子のいとこ。高校生。元気ハツラツな、行動的な子。高い能力で仕事をテキパキとこなします。