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星界の紋章 全14話/星界の戦旗 全13話/星界の戦旗Ⅱ 全10話のレビュー

非常に細かく作りこまれた世界観により、重厚味のある作品に仕上がっているスペースオペラアニメ。見終わった後も、しばらく余韻が残るアニメはいいですね。

主人公のジント(リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ジント)は、クリューブ王家第一王女であるラフィール(アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール)にとって心を許せる数少ない人物のひとりです。

ラフィール/ジント・リン

ラフィール/ジント・リン
ラフィール/ジント・リン

彼は、初めてラフィールと対面した際、王女様だとは知らずに接してしまいました。その形式ばらない態度に、常日頃から殿下として扱われてきたラフィールはうれしさと親しみを感じます。この幸運な出会いから二人の物語が始まっていくのです。

当初のラフィールはアーブらしく非常に冷徹な物言いでした。しかしその言動もジントと共に地上世界での逃避行を続けるうちに、次第に少女らしい一面をのぞかせるようになります。そして地上世界から棺桶を使って脱出するころには、互いに信頼しあえる仲にまで進展していました。

星界の戦旗では、ラフィールとジントが乗り込むこととなった突撃艦バースロイルによる、平面宇宙空間での戦闘シーンがメインとなります。

ラフィールは艦長として、ジントはその書記官として、それぞれの任についていますが、上下関係といった感じは全くしません。ジントは、ラフィールに対して苦言を呈することの出来る唯一の存在なのです。

ジントの発言に対して照れると、ラフィールはそれを隠す為、よく「ばか・・・」といいます。そのときの恥らう表情は彼女の魅力のひとつです。

同僚のエクリュア(女性アーブ)と、ラフィール・ジントとの関係も面白い点です。

エクリュアは物静かな人物ですが、さらっと痛い事をいいます。エクリュアと接近しているところをラフィールに見られたジントは慌てて取り繕うとしますが、ラフィールは”私が嫉妬でもすると思ったのか”、といった感じで取り合いませんでした。

この三角関係を煽る役として、同僚で年上のサムソン(軍匠翔士:男性地上人)がいい味をだしています。

続く、星界の戦旗Ⅱでは、ジントとラフィール二人の心情が細やかに描写されていきます。

今までは恋愛よりも戦争優先といった感のある勇猛なラフィールでしたが、今回は違います。囚われの身となったジントの身を案じて心を痛め、自信に満ちた態度もなくなり不安に支配されてしまいます。離れ離れになったことではじめて、ジントの存在の大きさに気づくラフィールでした。

全編通じて繰り広げられる戦闘シーンの数々も必見です。宇宙戦艦ヤマトに勝るとも劣らない臨場感に、最後まで手に汗握ること間違いなしです。(波城)

登場キャラクター寸評

ラフィール (8)
星界軍十翔長で子爵。アーヴ人。正式名は、アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール。クリューブ王家第一王女。新造突撃艦バースロイルの艦長。

ジント・リン (7)
星界軍翔士で伯爵。男性地上人。正式名は、リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ジント。新造突撃艦バースロイルの書記官。

エクリュア (7)
女性アーヴ人。突撃艦バースロイルの次席翔士。物静かだが、気は強い。

サムソン (7)
男性地上人。惑星ダクフォー出身。突撃艦バースロイルのメカニック部門の責任者(監督)。40歳近い。頼りになる男。

ソバーシュ (6)
男性アーブ人。突撃艦バースロイルの先任翔士。穏やかで理知的な雰囲気が感じられます。男性なんですよね?

ディアーホ (6)
アーブ猫。ジントが飼っている猫。ラフィールから譲ってもらいました。

(英題:Crest(Banner) of the Stars)星界の紋章8点、戦旗7点、戦旗Ⅱ9点

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Crest of the Stars - To the Stars (V.1)Crest of the Stars - To the Stars (V.1)
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