怪物王女(アニメ版) 全25話のレビュー
怪物たちを治める王となるために、その子供たちが互いに殺し合いを続けるといった内容の作品で、その中の第2王女、姫(本名:リリアーヌ)、そして彼女の血を授かることによって半不死身の肉体となった平凡な中学生、日和見 日郎(ひよりみ ひろ)の二人を中心に様々な物語が進んでいくことになります。
姫/シャーウッド/リザ/嘉村令裡
王族といっても成人する前は人間と変わらぬ容姿で腕力も人並みしかないため、姫も基本的には弱い存在です。でもその性格は極めて冷静で自信に満ち溢れていて、たとえどんな窮地に立たされても狼狽えることなく堂々と振る舞いつづけるのです。
そんな彼女を守るため、気弱な日郎は精一杯の勇気を振り絞って戦うのですが、いくら不死身の体になったとはいっても、基本的には弱いままなので、すぐにあちこち刺されたり殴られたり、結構酷い目に遭い続けるのですが、姫はそのことに対して感謝の意を表すことはほとんどなくて・・・。
でもいざというときには身を挺してでも彼を助けようとする、そういった姫の不器用な優しさに、私はとても強く惹かれました。
途中で作画レベルが極端に落ちたりするなど危うい面も多々あったアニメ版の怪物王女でしたが、最後まで楽しく観ることが出来て、自分の中ではいまだにお気に入りの作品のひとつとなっています。
ただアニメ版は、物語的には中途半端なまま終わっちゃているんですよね。一応姫の宿敵ともいえる相手は倒すことが出来たけど、王位争奪戦そのものはまだまだ道半ばといったままなのです。
テレビ放送されてからもうすでに何年も経過しているので、続編はちょっと期待できないかもしれませんが、原作の漫画はきちんと完結している(全20巻)ことですし、ここはひとつ続編の登場を切に願うばかりです。(波城)