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ゼロの使い魔 全13話のレビュー

魔法成功率ゼロの落ちこぼれ魔法使いルイズ(ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール)。その彼女に、東京の街中から無理やり召還されてしまった普通の青年・平賀才人(ひらがさいと)。
彼のことを使い魔として好き放題に扱うルイズと、そんな彼女に、文句を言いながらも付き従う楽天家な性格の才人が、次々に巻き起こるハプニングや事件を力をあわせて解決していく様子がとても爽快に描かれていて、見ていて非常に面白かったです。ファンタジー作品ならではの非日常性をたっぷりと味わわせてくれるアニメでした。

ルイズ/キュルケ/シエスタ/タバサ

ルイズ/キュルケ/シエスタ/タバサ

ルイズの住む世界は完全な貴族社会で、魔法を使えない者は基本的に平民として暮らすしかありません。才人も平民として周りから扱われ、散々バカにされるのですが、ルイズの使い魔となったことで戦う能力を手に入れた彼は、どんなに強い敵もバッサバッサとなぎ倒していくのです。負けず嫌いで正義感も強い彼は、次第に周りからも信頼されるようになっていきます。

とそこで、問題になってくるのがルイズとの関係で、最初のうちは着替えを見られても全然平気だったのに、彼を異性として意識するようになってからは、彼の一挙手一投足が気になって仕方なくなってしまうんですよね。でもご主人様という立場上、素直に好意を示すことも出来なくて、そのせいで彼に対して理不尽な暴力を何度もふるってしまうのでした。

例えば、彼女達が学んでいる魔法学校には、身の回りの世話をするために平民のメイドさんが何人もいるのですが、その中のシエスタという子と彼が仲良く話しているだけで、猛然とやきもちを焼いて叩きまくったりするなど、とにかく独占欲が非常に強いんです。でもその怒り方がなんとも子供っぽくて憎めなくて、そんな不器用なところに私は見ていて惹かれました。ちなみに、日ごろはツンツンしてばかりのルイズですが、甘えるときにはしっかりデレデレしてきますので、そんなところも彼女の大きな魅力のひとつかと思います。

このゼロの使い魔というアニメは、第1期(全13話)に加えて、第2期「双月の騎士(全12話)」、そして第3期「三美姫の輪舞(全13話)」といった具合に、全部で3つのシーズンが存在していて、今回視聴したのはその内の第1期だけなのですが、物語としては十分に完結していて、起承転結もしっかりしているとてもテンポの良い作品だと感じました。萌えと燃えが上手く両立している、極めて完成度の高い異世界ファンタジーアニメです。

個人的には、健気で優しくっておっぱいも大きいシエスタのほうが、実は好みだったりするので、ルイズには悪いけど、シエスタの恋心も叶えばいいなあと、そんなふうにも思いながら見ていました。この先、どんな三角関係に発展していくことになるのか、続編の「双月の騎士」では、その点を特に楽しみに見てみたいです。(波城)

(英題:The Familiar of Zero)10点
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