女子高生 GIRL'S-HIGH 全12話のレビュー
思春期真っ盛りな女子高生達の日常生活を、せきららにそして面白可笑しく描いている、とてもエンターテイメント性の高い美少女アニメです。
私立・山咲女子学園(略して咲女「サキジョ」)の中等部からエスカレーター式に上がってきた香田あかり、姫路京子、小川育恵の3人組と、他所の中学校から進学してきた高橋絵里子、鈴木由真、佐藤綾乃の3人組が一緒になって、様々な騒動を巻き起こしていくのですが、ハイティーンならではの弾けるような躍動感・健康的なお色気がいっぱい詰まっていて、最後まで楽しく観続けることが出来ました。
由真/育恵/京子/綾乃/あかり/絵里子
普通は触れない箇所を、あえて触れているところが本作の素晴らしさだと思います。型にはまった、ありきたりの「女の子像」を描くのではなくて、ありのままの姿を包み隠さずに全て曝け出す事で、逆に女の子の魅力を引き出そうとする作風は、とても新鮮に映りました。
物を片付けず散らかし放題にしているだとか、周りの目を気にすることなく、大股開きで談笑するだとか、そういった程度の「素の部分」というのは、他の作品でも結構多く描かれていますよね。ところが本作では、通常なら表現することをためらってしまうような陰の部分まで、実に事細かに言及しているのです。
例えば身体検査のエピソードの中で、絵里子ちゃんと由真ちゃんの二人が、検尿のためにトイレで用を足すシーンが出てくるのですが、そのときの会話の内容の「あけすけさ」には、流石に度肝を抜かれてしまいました。
紙コップの中に用を足そうとする絵里子ちゃん。ですが、どうにも上手く入れられなくて、とうとうパニック状態に陥ってしまうのです。「なんで横にこぼれちゃうのよ~!?」と、半泣き状態で隣にいる由真ちゃんに助けを請うのですが、そのときの彼女のアドバイスの内容があまりにもリアル過ぎて・・・、もう興味深々で聴き入ってしまいました。
なんといいますか、このシーンのやり取りは、たぶん何年経っても忘れないだろうと思います。
6人ともお年頃なので、異性には興味津々、「早く彼氏が欲しい~!!」と騒いだりもしますし、実際に京子ちゃんのように、さっさと初体験を済ませちゃう子もいたりするのですが、だからといって本作が、恋愛メインの物語なのかといえば、決してそうではありません。恋愛も大事だけど、それよりももっと、女同士の友情を深め合うことのほうが大切だと、全員がそう思って行動しているのです。(色ボケ気味の綾乃ちゃんは、ちょっと怪しいですけど・・・)
誰の色にも染まっていない無垢なところが、彼女達の最大の魅力だといえるでしょう。
一見すると、単なる馬鹿騒ぎアニメのように思えてしまうかもしれませんが、観れば観るほど、きちんと一本スジの通った内容に面白さが増してくると思います。怖いもの知らずにどんどん走り回る、女子高生ならではのパワー、気概といったものを存分に感じさせてくれる、お勧めの美少女アニメです。(波城)