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のんのんびより 全12話のレビュー

とある地方の農村に、東京から飛行機に乗って引っ越してきた小学校5年生の一条蛍ちゃん。それまでの暮らしとはまるでかけ離れた田舎ならではのスローライフに戸惑いながらも、小さな分校の転校生としてみんなとともに仲良く遊び、そしていろいろな事を学んでいくことになります。

そんな心温まる優しい情景と、元気にはしゃぎまくる子供たちの素朴な姿に、自然とこちらまで元気がもらえる、ハートウォーミング系の素敵な美少女アニメです。

一条蛍(ほたるん)

一条蛍(ほたるん)
一条蛍(ほたるん)

桜の咲き誇る春先から、田植えの時期、真夏の海水浴シーズンを経て、紅葉の美しい秋、そしてお正月には近所の小高い山から初日の出を眺め、雪の降る季節には、かまくらの中で温かい豚汁をみんなでフーフー言いながら頬張り続ける。

そんな季節の移ろいとともに、その時々でしか体験できない数々のイベントをとても丁寧に描写していて、四季のあることの素晴らしさや、昨年と同じ春を再び迎えられることのありがたさみたいなものを、たくさん感じ取ることができました。

登場するキャラクターは、どの子もみな個性的で可愛くって大好きなのですが、中でも個人的に最も気になったのは、転校生の蛍ちゃんでした。

都会育ちで最初のころは非常に大人しい子だった蛍ちゃんですが、転校早々、今年入学したばかりの宮内れんげちゃんに「ほたるん」と言って懐かれ、独創的な彼女のおかげであっという間にみんなの輪に溶け込んでいくようになります。

そしてさらに、どう考えても小学校低学年くらいにしか見えない中学2年生の小鞠(こまり)先輩に突如ハマったかと思えば、「こまぐるみ」と名付けた先輩そっくりのぬいぐるみを何個も作って悦に入ったり、はたまた学校にお泊りしたときには、お調子者の夏海先輩(こまちゃんの妹で中学1年生)相手に、たったひとつの布団を取りあって必死に頑張ったりと、とにかくこの1年で最も大きな変化を見せたのはほたるんだったのです。

はじめてほたるんを見たときは、まさかここまで生き生きと、無邪気にはしゃぐ女の子になるだなんて、まったく想像すらできませんでした。しかも、より元気に子供っぽくなったことで、すっかり成長した外見とのギャップはさらに広がるばかりで、そんなアンバランスなところも最高に可愛くって萌えちゃいました。わずか一年間で、ここまでほたるんを変えた田舎パワー、ホント凄すぎです。

まるで上質な絵画でも見ているかのような、美しい背景画像の数々も、この「のんのんびより」というアニメの大きな特徴のひとつだと言えるでしょう。田舎ならではの原風景がとても丁寧に描かれていて、どこか懐かしさを感じさせてくれるその温かい雰囲気に、たびたび心癒されました。

キャラクターの魅力はもちろんですが、この素敵な背景があるからこそ、私は何度も繰り返してこの作品を見ているのだと思います。こんなにも豊かな自然の中で、のびのびと暮らしているれんちゃんや、こまりちゃん、なつみちゃん、ほたるん、そしてそんな彼女たちを優しく囲む周りの人々を見るのが、なんとも言えず心地良いのです。第二期の制作も決まった本作(タイトルはのんのんびより りぴーと)に、どうかこれからもたくさんの元気と癒しをもらえますようにっ。(波城)

のんのんびより りぴーと 全12話

待ちに待ったのんのんびよりの続編です。続編とはいっても、内容は前作の続きというわけではなくて、もう一度最初から、つまりほたるんが分校に転校してくる辺りから(正確にはそのちょっと前の、れんちょんが入学式を迎えるところから)再度物語が描かれている、そんな形式になっていました。

シリーズ第1期と時間の流れが全く同じなので、この「りぴーと」は新作という位置づけではなくて、第1期で描き切れなかったエピソードを補完しているものと考えればいいと思います。時間が巻き戻っているからと言って、パラレルワールドのようにキャラクターの設定や世界観が変わってしまっている、ということも一切ありませんので、第1期の「のんのんびより」を観た時と同じ気持ちで、「りぴーと」も最後までとても楽しく観ることができました。

今のテレビアニメは放送期間が基本的にたったの3ヶ月しかないため、昔と比べると半分ないしは4分の1以下の話数しかありません。のんのんびより第1期も、たったの12話で終わってしまって、正直もっと見たいなあ~、短いなあ~と、ずっと思っていましたので、こういった形式で第2期が登場してくれたことは本当に嬉しい限りでした。

ほたるんとこまり先輩

ほたるんとこまり先輩
ほたるんとこまり先輩

それでも1期と2期の違いを強いて言うなら、ほたるんの「先輩好き好き度」が第1期よりも若干マイルドになって、より自然で落ち着いた「好き好き具合」になっている感じがするのと、夏海ちゃんの「お姉ちゃん度」が第1期よりも少し上がって、周りの子たちに対する気配りがより出来る子になっている点(お調子者なところは変わってませんが)くらいでしょうか。

でもこれも、単に私が感じただけの些細な違いなので、実は1期と2期の違いなんて全然ないのかもしれませんね。かく言う私も、普段は両者の違いなんて意識することなく好きなエピソードを色々繰り返し見ては、楽しんで癒されているのですから。

北米版は第1期と第2期がセットになったものを購入するのが断然お得です

本作の北米版ブルーレイは、第1期と第2期でそれぞれ別々の商品が以前から販売されていますが、今は両者をひとつにまとめたコンプリート版が新たに発売されていて、しかも価格も全24話収録されているコンプリート版のほうが安いので、選ぶならこちらのほうが断然お得です。

北米版は、放送後しばらくたつと、本作のように日本国内版では到底考えられないようなお得な内容でセット販売することが多々ありますので、購入する際には収録話数と収録時間をよく見てから(アマゾンの商品パッケージを拡大表示すると確認できます)選ぶのがちょっとしたコツとなります。(波城)

(英題:Non Non Biyori)10点

北米版アニメDVD

Non Non Biyori: Complete CollectionNon Non Biyori: Complete Collection
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